2011 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザー加工におけるパルス累積効果の新しい可視化方式による解明
Project/Area Number |
22360060
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60176378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 里枝 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (70432101)
磯部 浩巳 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (60272861)
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Keywords | レーザー加工 / 可視化 / 超短パルス / 超硬 |
Research Abstract |
本研究では、超短パルスレーザー加工における、同一箇所に照射されるパルス数、すなわち累積パルス数の影響について、パルスレーザー光源と高速度ビデオカメラを組み合わせた、新しい撮影方法によって可視化し、詳細に検討することを目的としている。これによって、加工速度や加工品質に大きく影響することが知られている、レーザーの走査速度や経路の役割について明らかにし、加工プロセスの最適化への指針を得る端緒を切り開きたいと考えている。 本年度の研究では、超硬のパーカッション穴あけの際の試料表面の形状変化についての、パルスエネルギーや繰り返し率の影響を検討した。さらに、粒子状の加工くずが間欠的に放出される様子の観察に成功し、複数の撮影結果を統計的に処理、粒子の排出は累積パルス数がある程度以上になってから起こること、そのパルス数はパルスエネルギーが高いほど小さくなる傾向であること、など加工ごとに変動のある現象についての知見を得ることが出来た。これは、これまで報告例のない、新しい結果である。また、側面方向からの撮影にも成功し、衝撃波やプルームの挙動が照射パルス数によって、どのように変化するのかについても観察できた。シャドウグラフと合わせてシュリーレン法によるによる動画撮影も行ったが、得られた画像は鮮明度の改善が必要である。 照射点が固定されているパーカッション加工だけではなく、試料を走査することで、溝加工における走査速度の影響を観察することが出来た。この場合にも、粒子状の加工くずが間欠的に放出される様子が観察された。ビームを回転させるトレパニング加工については、観察点の変動がピントのずれになって画質に悪影響を与えており、この点の改善が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発したシステムの有効性を検証でき、レーザー加工において、間欠的に生じる現象を、統計的に解析することが出来た。また、側方からの撮影、ビームを走査した場合の撮影にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
走査加工における走査速度とレーザーの繰返し速度の相互関係について、検討をすすめる。さらに、走査経路の影響について本手法で観察することが可能かどうか、検討する。超硬以外の金属材料において、加工面に周期的な構造が現れる場合があり、この現象についても、本研究で開発した可視化手法を適用し、解明を試みる。
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Research Products
(7 results)