2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360061
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
江龍 修 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (10223679)
|
Keywords | 切削加工 / 単結晶刀具 / ショットキー接触 / SiC |
Research Abstract |
本研究の目的は、金属加工を刃物と被削材との電子のやりとりの観点から見直し、被削材と刃物との間で、相互に電子のやりとりが少ない事を利用した精密加工機構の創成と化学的相互作用から加工を俯瞰する学問的分野の創成にある。平成23年度の具体的目標とそれに対する成果を次に示す。 (1)目標:刃物用ドーピング元素の選定とドーピング刃先の形成 成果:平成22年度中に開発した曲面CMP技術により、単結晶成長時にドーピングした元素の濃度と種類とに依存した切削効果を得た。第一に、無ドーピング刃先では若干の断続切削によってチッピングが生じる。第二に、Si元素位置に元素半径の大きい原子のドーピングをすることで、純Ti加工時の対摩耗性が向上し、切り込み深さ0.5μmにおいて実用的加工長を得た。 (2)目標:単結晶刃先に適したワークと刃当たり状態の検討 成果:単結晶刃先は単に鋭利化が出来るのみではなく、単結晶刀具ならではのワークと刃物との接触様式があると仮設を立てた。旋盤加工の為のチップホルダと合せ刃先開発を行った。その結果、旋削加工における新規刃当たり手法を見出した。本結果は、現在、論文発表準備中である。高速度カメラを用い、切り粉排出の詳細観察を行なっている段階である。純Ti旋削速度は切り込み1μmで240m/minを実現している。連続切削距離は20kmを越えて、現在も試験中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
最終年度に計画していた刃物単結晶靭性とドーピング元素との相関を得た。初年度に曲面CMP研磨加工機と治具開発に集中した結果、得られた成果である。最終目的であるワークと刃先との電子的相互作用評価に既に入っている。高速度カメラと電気的信号受信を同期させるツールの準備は済んでおり、更に加速させ新規成果を得る。
|
Strategy for Future Research Activity |
1:高速度カメラと電気的信号受信の同期によって、ワークの加工面歪と刃先との相互作用を明らかにする。 2:それにより、加工によるワークの変質層(加工歪層)の形成理由とその最小化を目指す。 3:同様に加工時の歪み信号を取り出す刃先の作製と、歪層との相関を纏め、論文化する。
|
Research Products
(4 results)