2011 Fiscal Year Annual Research Report
SPM-AEシステムを用いた摩耗基礎過程の総合的究明
Project/Area Number |
22360066
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三科 博司 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50142641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 亜蘭 埼玉工業大学, 工学部, 講師 (10552953)
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Keywords | トライボロジー / 走査型プローブ顕微鏡 / アコースティクェミッション / 摩耗素過程 |
Research Abstract |
現在の摩耗機構に関する研究では、マクロなレベルの摩耗は多くの実験・観察から明らかにされているが、摩耗の起源となる摩耗素過程の解明はトライボロジーに残された課題の一つである。本研究は、凝着摩耗の素になる粒子、すなわち摩耗素子の生成を観察し、その生成機構を解明するため原子間力顕微鏡(AFM)などの走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いるとともに、摩耗素子の生成過程をアコースティックエミッション(AE)の発生によって検出する装置を製作する。本研究の特徴は、摩擦した摩耗初期の面をそのままSPMによって観察して凝着摩耗の基礎過程の研究に用いる装置の作製とそれを用いた実験を行って摩耗基礎過程を究明することにある。平成23年度は、前年度に購入した走査型プローブ顕微鏡(日本電子JSPM-5200)を取り付ける摩擦駆動系を設置した。そして、このSPMとアコースティックエミッション測定部を組み合わせる装置として、ピン・オン・フラット型摩擦試験装置のピエゾアクチュエータ型微小摩擦試験機の基礎部を完成した。摩耗素過程の観察を可能にする実験装置系としてピンの微小摩擦運動をピエゾアクチュエータとそのドライバによって可能にし、観察する表面は摩擦後のブロック試片を摩擦したそのままの状態でSPMのテーブルに移動し、そのままSPMプローブを操作して摩擦面の観察像を得るシステムとなっている。本年度は、その基本になる実験装置として、摩耗の素となる摩耗素子、素子が集合・堆積して生成する移着粒子の観察を可能にして摩耗の基礎過程を総合的に解明する実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SPMとAE測定装置およびピエゾ駆動の摩擦摩耗試験機を前年度と今年度に購入し、今年度これらを設置した。これらは、当初計画におおむね予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、設置した実験装置を使用して計画通りの実験を実施する。現在のところ、研究計画に変更などはなく実施可能である。
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