2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360070
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
社本 英二 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20216146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋野 励 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (80273762)
鈴木 教和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00359754)
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Keywords | トライボロジー / 機械要素 / 気体軸受 / 進行波 / 非接触浮上 |
Research Abstract |
本研究では、進行波を利用した独創的な軸受原理を適用することで、従来の空気軸受の限界を超える高性能軸受を設計・開発し、さらに超精密送り装置としての実用性能を評価・検討することを目指している。本年度は以下の研究を行った。 1)試作した軸受装置の基本特性評価 前年度において試作開発した高剛性・高精度軸受装置の基本特性として、軸受すき間および駆動周波数に対する軸受力の変化(軸受剛性、耐荷重)の測定・評価を行った。この際、高精密・高耐荷重の運動機構を有する精密工作機械のテーブル上に力センサーを介して軸受面を固定し、主軸側に軸受装置を固定することで両面の平行調整を適宜行いながら正確な特性評価を試みたところ、操作ミスにより試作した軸受を破損する事故が発生した。ただし、この事故の前に、浮上量のみの測定を行っていた。その浮上量は、進行波振幅2.9μm??<p-p>、周波数2kHz、波長18mm、波数1、軸受荷重(自重)16.7Nにおいて、18.7μmであった。この値は、解析値に近いものであり、浮上量(軸受すき間)を減少することで、目標とする高い軸受力と剛性が得られることが期待される。 2)進行波アクチュエータの開発と軸受装置の適用 上記の事故に対応し、計画の一部を変更して、再度軸受装置の試作を行った。ただし、次年度の送り装置への応用を視野に入れ、圧電素子を用いた進行波発生部を一つのアクチュエータとしてモジュール化することで,組立てを簡素化するとともに,安定した高い軸受性能の実現を目指した。重りを載せる簡易的な方法で特性測定を実施した結果、浮上量4μm時において68.8Nの軸受荷重と27.4N/μmの剛性が得られることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績欄に記載したように、計測時に事故が発生したため、一部計画を見直し、軸受装置の再設計と試作を行ったため、やや遅れを生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の送り装置の試作に向け、進行波アクチュエータの開発に成功しており、このモジュール化によって今後の開発の進展は速くなることが期待される。 他方で、負荷を加えた際の軸受性能は解析値の数分の一の値しか得られず、これ以上の装置剛性や精度を実現することの困難さから、性能向上のための何らかの対策が望まれている。例えば、超音波領域の進行波を発生させることが、有効な対策の一つとして考えられ、次年度の研究で検討する。
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Research Products
(11 results)