2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高密度情報記録システムのためのナノ分子流体膜のトライボダイナミクス評価
Project/Area Number |
22360071
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福井 茂壽 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (40273883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 広成 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (10314569)
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Keywords | 液体超薄膜 / 表面張力 / 分子間力 / メニスカス / 長波方程式 / ヘッド・ディスク・インターフェース / 分子気体潤滑 / ナノトラボロジー |
Research Abstract |
本研究の目的は、超高密度磁気ディスク装置用のヘッド機構実現を目指して、3mm程度以下の超微小すきまで相対すべり運動する記録ヘッドの動的挙動を、ミクロ/ナノメータ領域における分子気体や分子液体による力学作用を考慮して詳細に解析しうるシミュレーション技術および物性評価の高精度技術を開発し、これによりヘッド形状設計のための指針を得ることである。 平成22年度には、超高密度記録実現の有力技術である、(1)BPM (Bit Patterned Media)媒体を対象に、BPM媒体上のヘッド浮上特性、(2)熱アシスト記録(TAMR)方式を対象に、加熱された固体面上の液膜変形とヘッド浮上特性の解析、(3)その他を行った。より具体的な研究実績は、以下の通りである。 1.BPM媒体上のナノメータ浮上ヘッドに働くvan der Waals(vdW)力の算出と浮上特性の解析 i)周期的な分布を持つ媒質面(ディスク)上に、数nm~10nm程度のすきまで対向する固体(ヘッド)に働くvdW力を精緻に数値解析する手法を確立した。また、ii)媒質分布による不均一なvdW力が作用する場合のスライダ動的挙動の解析手法を検討した。 2.TAMRにおける加熱された記録面上のnm浮上ヘッドの分子気体潤滑(MGL)特性と液膜変形 i)境界面が温度分布を有し数nm程度の超微小すきまで対向しかつ走行する場合に生ずる発生圧力を、この状況で特有な熱ほふく流をも考慮したMGL方程式を用いて基本解析を行った。ii)局所的に加熱されたディスク面上の超薄膜の液体潤滑剤の流動および液膜変形について、ペルチェ素子による加熱実験および長波方程式を用いた理論解析を行った。iii)レーザ加熱による液膜/基板系の熱伝達とマランゴニ効果を、数値シミュレーションによる精緻に進めた。 3.その他 液体超薄膜の基本特性の検証のため、メニスカス破断時の液体移着量を、実験的・解析的に解明した。
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Research Products
(5 results)