2012 Fiscal Year Annual Research Report
超平滑表面における単分子液膜の高せん断レオロジーに関する研究
Project/Area Number |
22360072
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
張 波 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60264678)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ナノトライボロジー / 単分子膜 / レオロジー / ハードディスク |
Research Abstract |
PFPE単分子液膜のレオロジーならびに水蒸気吸着はハードディスクの信頼性と寿命に関わる至上な課題である。本研究は、PFPE単分子液膜のレオロジー、水蒸気の吸着および単分子液膜のレオロジーに及ぼすその影響を実験的・理論的に解明し、磁気ヘッド表面の分子吸着や単分子膜レオロジーのモデル化にも成功した。主な研究成果を以下にまとめる。 その場観察の実験装置を構築し、商用のガラス磁気ディスクから磁気層のみを省いた、透明なディスクを用いて、高速顕微鏡カメラで走行中のスライダ空気軸受表面を直接監視しことで、スライダ空気軸受表面への水蒸気等の凝集を観察できた。吸着は空気軸受表面だけではなく、後方のリセッション部にも起こっている。 吸着は蓄積し、空気軸受表面に達した途端に、ヘッドとディスクが直接接触を起こし、直ちに破損に至る。吸着がリセッション部で起こることは、磁気ヘッドとディスクとの直接接触が磁気ヘッド汚染の唯一の原因ではないことを示唆した。 エアブロー単分子膜流動測定実験では、PFPE単分子膜は極性のものがハードディスク表面上でマイクロスリップしないのに対して、非極性のものがマイクロスリップを示す。これは従来のスピンオフ実験で観察できないことであった.マイクロスリップはナノ流体力学で重要な現象である。その結果は。マイクロスリップは普遍的な現象ではなく、流体分子と固体表面との結合強度に依存することを示唆している。流体分子が固体表面と強く結合すれば、マイクロスリップは回避できる。非極性のPFPEはエアブローされたときに、堆積現象も観察された。これはマイクロスリップ速度の不均一によることが分かった。 また、ポンピング理論を用いて、汚染に強い軸受の設計を試みた。軸受表面後部のチャンファリングが汚染物の蓄積に大きく影響することが初めて分かった。汚染物が蓄積し難いチャンファリング構造を幾つか提案した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)