2012 Fiscal Year Annual Research Report
白内障手術における角膜内皮損傷機構の解明およびその制御
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22360074
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
榊原 潤 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10292533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加治 優一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50361332)
大鹿 哲郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90194133)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 眼科学 / 流体工学 / 白内障 / 超音波乳化吸引術 / 乱流 / 画像計測 / 角膜 |
Research Abstract |
当該年度は、豚の角膜に直接水晶体片を衝突させ、衝突時の角膜内皮細胞の剥離状況をスペキュラーマイクロスコープによってリアルタイムに捉えた。 豚眼の角膜を摘出し、新規製作した角膜保持容器の上部に取り付けた。角膜保持容器の下部には角膜に向けられたノズルおよび排水管を設けると共に、ノズルと排水管をポンプで接続し、約1mm角の水晶体片を混入した生理食塩水を循環させた。これにより、ノズルから噴出する生理食塩水および水晶体片を角膜内皮に衝突させた。噴流の流速は50,100,150 mm/sの3条件とした.角膜外皮表面には内皮細胞観察用のスペキュラーマイクロスコープの対物レンズ(コーンレンズ)を接触させ、同マイクロスコープおよびそれに接続したカメラにより角膜内皮細胞を撮影した。水晶体片衝突時の内皮細胞を高速動画撮影することで、内皮細胞が剥離する瞬間の動的な様子を捉えた。一瞬にして細胞が潰れたようになり、見えなくなる範囲が広がった。これは水晶体片が角膜に衝突したことで細胞を削っていったように見えた。この現象は生理食塩水のみの場合には見られなかったものである。細胞が剥離した部分の面積を画像から測定し、水晶体片の衝突前後の内皮細胞観察画像を比較することで、内皮細胞剥離率を求めた。噴流流速50mm/sにおいては、水晶体片の有無にかかわらず、損傷は確認されなかったが、100mm/s以上の条件では損傷率も増加し、150mm/sでは水晶体片有りで約8%、無しで約5%の細胞が損傷した。この差は有意であり、水晶体片の存在によって細胞損傷率が増加することが確認された。さらに、水晶体片の内皮細胞への衝突1回あたりの細胞剥離面積を求めた。水晶体片の速度が大きくなるほど角膜内皮細胞が損傷する面積も大きくなっていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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