2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360078
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
花崎 秀史 京都大学, 工学研究科, 教授 (60189579)
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Keywords | 流体工学 / 海洋物理・陸水学 |
Research Abstract |
水槽実験装置を構築し、測定手法の確立を行った。乱流生成には、熊手状の格子、及び、通常のbiplane格子を鉛直向きに設置して、それを水平移動させた。前者は水平2次元撹乱、後者は通常の3次元撹乱の生成に用いた。そして、水平断面及び鉛直断面内の塩分濃度場をLIF法によって計測した。成層流体では深さによって密度が異なり、それによってレーザー光の屈折率が変化して光が直進しないという問題が生じる。本研究ではそれを避けるため、「屈折率の一様化」を行った。具体的には、初期に真水の入ったタンクに一定濃度のエチルアルコールを混ぜ、タンク内の塩分濃度増加による屈折率の増加をアルコール濃度の低下で相殺し、試験水槽に入る塩水の屈折率を常に一定に保った。また、数値計算(DNS)に関しては、スペクトル法によるDNSを周期境界条件のもとで行った。初年度は、最も典型的な場合として、2つのアクティブスカラーSとTが成層に同等に寄与するR=(dS/dz)/(dT/dz)=1(z:鉛直座標)の場合の解析を行った。エネルギー収支の解析により、複数アクティブスカラーSとTの存在により生じる位置エネルギーが、運動エネルギーKE、及び、位置エネルギーの総和PEを構成する他の2種の位置エネルギーと相互作用する過程を解析した。RDT理論に関しては、成層流体中のパッシブスカラー拡散に関するRDT理論をアクティブスカラー2つの場合に拡張した。解析解を簡単な形で表すのは困難なため、まず数値解を求めた。初期スペクトル形(初期条件)をDNSとそろえた条件下でエネルギー、フラックス、スペクトルを解析した。
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