2010 Fiscal Year Annual Research Report
疑似血管デバイスを用いた内皮細胞にかかるせん断応力の計測と細胞の応答の計測
Project/Area Number |
22360082
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉井 康彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任准教授 (90345108)
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Keywords | 流体工学 / マイクロ・ナノデバイス / 生物・生体工学 / 細胞・組織 / 循環器・高血圧 / せん断応力 / マイクロPIV / 内皮細胞 |
Research Abstract |
動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などと言った循環器系疾患の原因として、内皮細胞と血流による刺激や血球の内皮細胞への付着などが関係すると考えられている。そこで、本研究では、せん断応力などの流れによる刺激と内皮細胞の応答との関係を詳細に調べるため、疑似血管デバイス内に培養液を流し、細胞近傍の速度分布を計測し、得られた速度分布を用いて、細胞表面にかかるせん断応力の分布および細胞の高さを求める方法を開発した。ピエゾシステムを用いて焦点位置を変位させ、各断面における速度分布をマイクロPIV法により計測し、得られた速度を2次関数に近似して、細胞表面に滑り無し条件を適用して細胞表面にかかるせん断応力の分布および細胞の高さを推定する、これにより、非接触でかつ生きたままの細胞を高い空間解像度で細胞に負荷される力学的な刺激と細胞の形状の計測が同時に可能となった。さらに、顕微鏡用培養装置を用いることで、長期間における細胞への刺激と応答を調べることが可能となり、長期的な細胞の動態を詳細に調べることが可能となった。開発した手法を用いてPDMS製マイクロ流路内で培養した正常ヒト臍帯静脈内皮細胞の表面にかかるせん断応力の分布および細胞の高さを求めた。また、マイクロ加工装置を用いて作成した幅400μm、深さ63μmのPDMS製マイクロ流路内粒子径0.5μmの蛍光粒子を混入した溶液を流し、本手法の計測精度の検証を行った。その結果、高さの計測精度が0.27μmとなった。今後、焦点深度が計測精度の更なる改善を図る必要である。
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Research Products
(4 results)