2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22360084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飛原 英治 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00156613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
党 超鋲 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30401227)
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Keywords | 太陽熱 / 空気調和 / デシカント / 潜熱顕熱分離 |
Research Abstract |
平成23年度には、メソポーラス・シリカを担持した吸着ユニットの夏季の冷房除湿、冬季の暖房加湿のサイクルの理論性能解析と吸着材粒子及び吸着ユニットの吸脱着性能の実験測定を行った。得られた成果は下記の通りである: 1.平均細孔径4nmのメソポーラス・シリカ粒子の平衡吸着量と吸脱着速度について実験計測を行った。平衡吸着量については、吸着材(粒子)と吸着材を基盤材料にバインダーで担持したものの吸着等温線を明らかにした。同じ測定条件におけるバインダーで担持した材料の吸着量が約50%小さくなることが分かった。また、吸着材の吸着速度については、浮遊磁気天ピンを用いて水蒸気の吸着速度測定を行い、湿度と吸着速度の定性的な関係を明らかにした。 2.デシカントユニットの各流路について吸着/脱着過程の解析モデルを構築した。吸着材内部の拡散、熱伝導と空気層における対流熱伝達と物質移動をそれぞれモデル化した。実験結果と比較した上、物質伝達係数などをフィッティンすることでデシカントユニットの吸着/脱着時の動特性を再現することができた。 3.太陽熱を利用したデシカント空調システムのサイクルシミュレニションを行い、2000年度の東京地域の気象データを用いて冷房期間中のエネルギー効率の評価を行った。提案したシステムは従来のシステムに比べ約25%のエネルギー使用削減効果が得られた。また、潜熱負荷の高い条件においては、メソポーラス・シリカより吸湿量の多い高分子収着材を使用すると、更に15%のエネルギー削減効果が得られことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
吸着材と吸着ユニットの吸脱着性能を実験測定により把握し、それに基づいて太陽熱利用に適したシステムの開発を行った。来年度は更にシステムの改善と実証機の製作を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
従来のメソポーラス・シリカ粒子より優れた吸脱着性能がある高分子収着剤について、その基本吸脱着性能の実験測定を行い、それらを基に吸着ユニットの吸脱着性能を推定するモデルを構築し、構造の最適化を行う。また、太陽熱利用に適した乾式システムの試験装置を製作する、夏季の冷房除湿、冬季の暖房加湿の実運転性能について実験測定し、実用化にするにあたって、適切な用途と基本技術仕様を明確化する。
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Research Products
(4 results)