2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能性マルチレイヤー型膜・触媒層創成によるPEFC高度化の輸送現象論的展開
Project/Area Number |
22360086
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伏信 一慶 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50280996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 友行 富山県立大学, 工学部, 助教 (60542363)
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Keywords | 熱工学 / 燃料電池 / 触媒層 / GDL / 多層構造 / 輸送現象論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、PEFC(固体高分子形燃料電池)電解質膜および触媒層内の電位・輸送・反応連成現象に着目し、マルチレイヤー型の膜・触媒層構造を創成することにより、一段の高耐久化、高効率化等が求められるPEFCの高度化に、輸送現象論的な視点からの展開を図ることにある。 交付申請書記載の通り、初年度は、マルチレイヤー型膜・触媒層の作成方法の検討を行った。電解質膜では、膜中電位分布計測のため、電解質膜の間に細線金属プローブを挟み、ホットプレス法によりマルチレイヤー膜を作成した。また、金属プローブには白金線と金線を使用し、それぞれで膜中の電位計測を可能とした。また、触媒層では、ドクターブレード法とホットプレス法により、アイオノマー、白金担持、担持カーボンそれぞれの量を二層で可変にしたマルチレイヤー触媒層の作成技法を確立した。また、均質な微粒子作成のため、現有のパルスレーザによる加工システムを援用し、液体素子を用いた安価・簡便なビームシェイプ平坦化について検討を行った。また、ガス拡散電極のマルチレイヤー化についても、CCMマルチレイヤー化との整合性を中心に検討を行い、特に、パルスレーザ加工した電極の機水性の影響について検討を行った。以上により、予定通り、マルチレイヤー型膜・触媒層作成の目処をつけている。また、膜、触媒それぞれの厚さ方向の輸送・反応連成モデリングについて、基礎的な検討を開始し、それぞれ輸送を考慮した混成電位モデル、等価回路モデルを基本的なモデルとして用いる可能性を見いだした。また、触媒層の構造と過電圧との関係のモデル構築を行った。あわせて、試験システムの構築を行った。現有の光学的in situ可視化可能なPEFC単セル試験システムを基本としつつ、新たにガス加湿器を導入し試験システムを構築し、次年度以降の本格検討の準備を完了した。
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