2012 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学方式水素ポンプの熱工学的解析に基づいた高圧化
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22360089
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 衡平 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10283491)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 電圧効率 / 高分子電解質幕 / 湿潤 |
Research Abstract |
今年度は、先ず、電圧効率を向上するために、水素ポンプの改造を実施した。前年度、本研究で新たに組み込んだ内部加湿型、アノードデットエンド型水素ポンプが低い電圧効率(15%@0.1A/cm2)を示した。高分子電解質膜が乾燥し、イオン抵抗が高くなったことが主たる原因だと解析できている。高分子電解質膜が乾燥したのは、本研究で取り入れたカソード側からの拡散現象に頼る膜の湿潤が、対向する電気浸透流の影響で十分でなかったためだと考察できている。この点を反省し、検討を重ね、アノードに二重の流路を構成することで、アノード側からの膜の湿潤ができるよう水素ポンプアノードセパレーターを改造した。現在製作が終え、今後、この水素ポンプの性能評価を実施する。 なお並行して、電圧効率を低下させる要因、すなわち複数の過電圧要因を検討するために、交流インピーダンス解析を実施した。その結果、上で示したように、オーム過電圧が最大の電圧低下要因であるが、高電流密度側では、非線形的な過電圧も電圧効率を低減する大きな要因となることが分かった。一方で、水素ガスは拡散性もよく、電極反応においても可逆性が高いことから、直接的には、水素ポンプの非線形過電圧成分は小さいと考えられる。今後は、カソード電極において運転条件よりも高い圧力が局所的に存在するなど、多方面から検討を重ね、非線形過電圧の低減にも努める。 このように継続課題を残したが、水素ポンプは運転条件によっては電圧効率50%も達成した。競合する水素コンプレッサーの効率も同等の50%程度と想定できるので、前者が等温圧縮、後者が断熱圧縮であることも合わせて考慮すると、水素ポンプは水素ステーションの高効率化に寄与すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)