2012 Fiscal Year Annual Research Report
メーキャップ化粧品のデザイン技術開発に向けた熱工学のアプローチ
Project/Area Number |
22360090
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 純 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40210455)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 光 / 散乱 / 皮膚 / 化粧 / 物性 / ふく射 / 半透明 / 散乱位相関数 |
Research Abstract |
本研究では,化粧粒子および肌の光学的性質の詳細を調べるとともに,皮膚内部を含む微視的な光伝播と関連づけて,肌の見え方に及ぼす,化粧粒子およびその塗り方の影響を明らかにすることを目的とする.また.この知見に基づき,粒子デザインの段階から皮膚の見え方を予測できる解析ツールの開発をめざす. 平成23年度末時点で,皮膚内部の光物性を計測するための装置(散乱位相関数を計測する装置を含む)をほぼ完成させ,なおかつ,皮膚表面の光挙動についても詳細なデータを取得しつつあった. 研究最終年度となる平成24年度では,信頼にたる光物性データを取得できる装置を完成させると同時に,皮膚表面の光挙動を調べた実験データを基に,それを予測できる数値解析モデルの構築ができた.さらに,この年度では,メーキャップ化粧品であるファンデーション粒子層の光性質を実験的に調べるための蛍光を利用した半球透過率計測装置を開発し,実験と数値解析の両方からその手法の妥当性を検証した.また,これと,研究代表者らが開発してきた半球透過率,反射率と併用して,ファンデーション粒子層の光性質に与える粒子径,および,粒子層厚さの影響を調べた.その結果,粒子径,化粧粒子層が皮膚の反射性質に与える影響は明らかとなったが,粒子個々の性状が粒子層の反射性質に与える影響を予測するまでには至らなかった.この部分のモデル構築には,本研究をベースにさらなる検討が必要である.この点に関しては未達といえるが,粒子層の反射性質に関する実験結果を用いることで,肌の見え方を予測できるようになっており,当初の目的の大部分を果たせたと言える. 一方,本研究の成果の一つである皮膚の光物性計測装置は,現在,化粧品業界の標準的計測装置としての地位を確立しつつある.このように,期待以上の成果が得られたものもあり,本研究が当該分野に果たした貢献は極めて大きい.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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