2011 Fiscal Year Annual Research Report
燃料設計手法による混合気制御・燃料着火制御併用型低エミッション噴霧燃焼法の開発
Project/Area Number |
22360091
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
千田 二郎 同志社大学, 理工学部, 教授 (30226691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 一成 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (00454554)
小橋 好充 金沢工業大学, 工学部, 講師 (80469072)
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Keywords | 燃料設計手法 / PCCI燃焼 / 混合気制御 / 燃料着火制御 / バイオ燃料 |
Research Abstract |
本研究では燃料設計手法を用いた混合気制御・燃料着火制御併用型の燃焼制御手法を提案しており,本年度は以下の実験・解析を行なった. 1.炭化水素系燃料から成る種々の二成分混合燃料に対して,急速圧縮膨張装置にて単一噴霧燃焼特性の調査を実施した.低揮発性-高自着火成分として用いるn-トリデカンに対し,高揮発性-低自着火性燃料であるn-ヘプタン,シクロヘキサン,i-オクタン,トルエンを種々の比率で混合した.また,雰囲気酸素濃度も実験変数とした.従来のディーゼル燃焼形態において高オクタン価燃料の混合による低エミッション燃焼を実現した. 2.植物起源である低沸点のアルコール系燃料をバイオディーゼル燃料に混合した際の噴霧燃焼・排気特性を調査した.基礎的な噴霧燃焼特性は定容容器を用いた光学計測により把握し,実機関において排出ガス計測を実施した.アルコール系燃料の持つ揮発性の高さに加えて化学結合の差異が着火時期に及ぼす影響は大きく,これがすす低減効果に支配的であることを明らかとした. 3.異なる着火性を有する燃料を供試し,単気筒ディーゼルエンジンにおいて不均一に分布する混合気の着火燃焼過程を実験的に調査した.混合気濃度に加えて燃料成分を燃焼室内において離散化させることによりバルクの熱発生率の制御および低有害排気成分を実現し得ることを明らかとした. 4.詳細化学反応の観点から寄与度行列を用いてのメチルブタノエート解析を実施した.また,HO_2がH_2O_2の蓄積およびH_20_2ループの発生に及ぼす影響を明らかとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の,各種アルコール系燃料を含む混合燃料の非定常噴霧火炎の特性およびその着火遅れ期間,着火時期に発現する化学種の発光計測を定量的に行ない,これらの特性を混合燃料割合および燃料中の酸素含有率などで定量的に整理した.また各種混合燃料での燃焼過程の熱発生履歴も測定し,アルコール系混合燃料の特性を明らかにした.今後は,化学反応論的な着火解析を行なう予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画に大きな変更はない. 次年度では多様な分子構造を有する燃料成分を混合した際の噴霧特性を把握する.また,詳細化学反応論の観点から着火の要件を抽出し,多次元シミュレーションへと反映させる.各種実験結果および解析結果をもとに新規燃焼制御手法の可能性に関する足がかりを構築する.
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