2011 Fiscal Year Annual Research Report
3次元動的マイクロ力学刺激を用いるiPS細胞のアクティブ力学操作・再生治療支援法
Project/Area Number |
22360093
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小沢田 正 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10143083)
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Keywords | 3次元振動ステージ / 3次元アクチュエータ / iPS細胞 / アクティブ力学操作 / 分化誘導促進 / 3次元動的力学刺激 / 選択的力学刺激 / 神経細胞 |
Research Abstract |
1)ピエゾマイタロ3次元振動ステージスシステムの構築: マイクロ3次元振動ステージは,ピエゾ素子を利用した微小一体型振動子とこれに付随する培養用ステージから成るシンプルな構造を有している。1枚のステンレス板から立体ダブルV型カンチレバー状に加工した振動子に,直交3軸方向それぞれの変位が制御できるように3箇所に複数のピエゾ素子を接着し製作する。これらのピエゾ素子に任意の信号を入力することにより先端ステージの変位を高精度に制御し,3次元的なアクチュエーションを可能とした。 2)ピエゾマイクロ3次元アクチュエータシステムの構築: 本アクチュエータは,立体ダブルL型カンチレバー状に加工した振動子に,直交3軸方向それぞれの変位が制御できるように複数のピエゾ素子を装着し構築した。個別細胞への選択的力学刺激を付加可能とした。 3)ヒトips細胞の神経細胞への分化誘導促進: 第2段階として,ヒトips細胞から神経細胞および血管内皮細胞へ分化誘導を試みた。また,分化誘導過程における細胞の力学特性の変遷を検証し,力学刺激付加のための参照データを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生きている培養細胞に対し,任意の3次元方向に動的力学刺激を自在に付加可能なマイクロ3次元振動ステージおよびマイクロアクチュエータを,まだ完全ではないが構築し終え,現在実験に使用しつつ,性能のアップを図っている。一方ips細胞の培養技術はほぼ習得したが,コントロールについては種々の問題に直面している。特に力学刺激による分化誘導促進技術には,想定外の問題に直面しており,ブレイクスルーが必要な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.力学刺激付加手段は構築できたので,全体としては予定通り計画を推進させる予定である。 2.マイクロアクチュエータの細胞への接触の瞬間の視覚的同定が困難であり,この点での新たな技術の開発を検討中である。 3.分化誘導後のヒトips細胞の染色同定において困難に直面しているが,新たな試薬の導入および医学部後藤研究室との連携により解決を模索する。 4.ヒトips細胞の分化誘導は,これまで血管内皮細胞を試みてきたがその結果を待たず,今後マルチガスセルインキュベータの導入により,平行して神経細胞への誘導へと進展させる予定である。
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Research Products
(8 results)