2010 Fiscal Year Annual Research Report
大型自立円筒構造物群の地震時衝突および転倒に対する安全化技術の最適化研究
Project/Area Number |
22360095
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
伊藤 智博 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60347507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 篤彦 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (90295725)
中川 智皓 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (70582336)
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Keywords | 機械力学・制御 / 減災 / 構造工学 / 制震 / 耐震 |
Research Abstract |
我が国では近年,再処理プラントの稼動遅れにより,原子力発電所から排出される使用済み核燃料の貯蔵容量が逼迫している.そのため,排出される使用済み核燃料は,使用済み核燃料貯蔵容器と称する直置きの自立した大型2重円筒構造物に収納され,それらは林立した状態で中間貯蔵施設に1時的に保管される.このような自立した大型円筒容器は大規模地震時にはすべりやロッキングと言った強非線形応答を示し,容器相互の衝突や転倒などの問題が懸念されている.しかしながら,このような大型の構造物に適用可能な制振手法はほとんど検討されていないのが現状である.一方,近年,新潟県中越沖地震などの大規模地震が頻発していることから,これら使用済み核燃料貯蔵容器の耐震安全性の確保がエネルギーサィクル確立のため非常に重要となっている. そこで,本研究では,使用済み核燃料貯蔵容器に代表される大型の自立した2重円筒構造物群の地震時の衝突および転倒を確実に抑制することを目標として,すでに解析的基礎検討により有効性を把握済みの簡便かつ実用的な制振化手法(流体封入およびジャイロスコープの設置)について,それらの効果を実験的にも検証するとともに新たな免震構造についてもその効果を検証し,最適化を行い耐震安全化技術を構築することを目的とするものである. 平成22年度は,2重円筒構造の簡潔な試験体を製作し,小型振動台による加振試験を行い,液体によるすべり制振効果を検証した.その結果,内部円筒の固有振動数より高い振動数領域では,液体連成効果により,外部円筒のすべり変位を抑制しうることが確認でき,制振手法適用性の目処を得た.
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Research Products
(4 results)