2011 Fiscal Year Annual Research Report
大型自立円筒構造物群の地震時衝突および転倒に対する安全化技術の最適化研究
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22360095
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
伊藤 智博 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60347507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 篤彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90295725)
中川 智皓 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70582336)
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Keywords | 自立型円筒構造物 / 地震応答 / すべり免震 / ロッキング / 高粘性流体 / ジャイロ / 制振 |
Research Abstract |
平成22年度の研究では,2重円筒構造の簡潔な試験体を製作し,小型振動台による加振試験を行い,液体によるすべり制振効果を検証した. 平成23年度は,新たにダンパ部分の改良を行い,パラメータの設定が容易なダンパ要素を製作した.すべり免震試験体についても,上で製作したダンパ要素を組み込んだ新しい試験体を製作した.要素試験体を用いて,自由振動試験により,流体の粘度やすきま比と減衰比や固有振動数との関係を定量的に把握した.また,振動台試験により,すべり免震試験体のすべり変位と応答加速度に対する上記パラメータの影響を把握した.その結果,流体粘度を向上させるとすべり変位は大きく低減可能であることが確認できた.一方,応答加速度については,増加する傾向にあることが判明し,ロッキングの制振の観点では,流体粘度はある程度小さいほうがよいことが明らかになった.すなわち,流体粘度やすきま比については,最適な値があることが明確になった.さらに,解析モデルを構築し,流体粘度や隙間比が応答変位や応答加速度に与える影響について,体系的に検討した. ロッキング現象については,ジャイロを搭載した場合の解析モデルを構築しロッキング運動の抑制効果を解析的に検討した.具体的には,外部円筒構造の上部に小型ジャイロを取り付け,その際,影響度の高いジャイロの慣性モーメントや回転数をパラメータとし,それらの影響について把握した.また,次年度の研究を進めるための課題を抽出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すべり免震構造の応答変位の高粘性流体による抑制技術の開発については,計画より早く進み,非常に良い成果を得た.また,ジャイロによるロッキング制振技術の開発については,試験設備の故障などもあり,少し当初の予定より遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,すべり免震の応答変位の抑制については,偏心の影響の把握について検討を行う.また,ロッキングの制振については,ジャイロシステムの効果について,解析による検討を行うとともに,実験装置の設計,製作を行う.
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Research Products
(2 results)