2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体ナノモーターで駆動する光学素子とその制御機構の開発
Project/Area Number |
22360103
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
平塚 祐一 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 講師 (10431818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 高洋 岐阜大学, 工学部, 助教 (20402216)
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Keywords | マイクロマシン / マイクロ・ナノデバイス / ナノバイオ / 分子モーター / 生体分子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生物の保護色機能、色素細胞の作動原理から着想を得た生体ナノモーター(モータータンパク質)で駆動する光学デバイスを創製することである。色素細胞内には繊維状のタンパク質群が特殊な形状でネットワークを構成しており、モータータンパク質の作用により色素顆粒がそのネットワークに沿って運搬され、凝集・分散することで細胞の色変化を作り出している。これまで研究代表者は、この分子システムを生体外に再構築した光学素子の開発に取り組み、再構築に成功させてきた。しかし、この細胞のシステムは複雑で再構成プロセスも煩雑となり再現性・発展性に問題があった。そこで本研究では、色素の凝集・分散をより単純な原理で実現し、素子の制御機構を含めた光学システムの応用展開を図る。本研究では、色素顆粒を結合させたモータ「タンパク質のデンドリマーと微小管の自己凝集を利用し、色素の「凝集」⇔「分散」による色変化をマイクロチャンバ内に構築する。本年度は、本研究で最も重要な要素技術であるマイクロチャンバ内での微小管の重合方法の探索を行った。マイクロチャンバはソフトリソグラフィ法により作製し、チューブリンを添加後、チャンバを密閉し、重合反応を行った。チャンバの密封方法は様々な手法が知られているが、数万個以上のマイクロチャンバに蛋白質溶液を一度に密封し、且つ長時間の蛍光観察可能な手法は知られていない。そこで、非蛍光性の特殊フィルムを利用することでこれを容易に実現できる系を模索した。フィルムの密着のための最適な圧力や、フィルムの毒性を除く処理等を検討し、再現性よくチャンバ内に微小管を形成させることに成功させた。また同時に、モータータンパク質の活性制御を目標として、光刺激でカルシウム濃度を調整する人工カルモジュリンの作製に取り組んだ。光依存性タンパク質Photopsinの一部とカルモジュリンを融合させた融合蛋白質を作製し、大腸菌で発現および精製を行った。
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Research Products
(3 results)