2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁性めっき線を用いた磁界共振形非接触エネルギー伝送の研究
Project/Area Number |
22360113
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
水野 勉 信州大学, 工学部, 准教授 (90283233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇若 弘之 信州大学, 工学部, 教授 (50240461)
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Keywords | 磁界共振結合形非接触エネルギー伝送 / 効率 / 伝送距離 / インピーダンス / 磁性めっき線 / 近接効果 / 表皮効果 / リッツ線 |
Research Abstract |
磁界共振結合形非接触エネルギー伝送の長距離・高効率伝送のためには、コイルのQ値を大きくする必要がある。そこで申請者は、銅線の外周に磁性薄膜をめっきした磁性めっき線(MPW)によって、近接効果に起因する交流抵抗を低減、すなわちコイルの(植を増加する手法を提唱している。 まず、等価回路に基づいて、伝送効率と反射効率および入力インピーダンスの理論式を導出して、理論式の計算誤差が5%以下であることを実験によって確認した。 さらに、Fe薄膜をもつMPWを用いたリッツ線(LMW)のコイルおよび銅線を用いたリッツ線(LCW)コイルを製作した。周波数6MHzにおけるLMWとLCWのQ値は、それぞれ、187と98であり、LMWは1.9倍にQ値が向上した。さらに、伝送距離における伝送効率は、それぞれ、94.3と89.8であり、4.5%向上した。さらに、13MHzでは7.9%の向上があった。すなわち、効率を向上させるためにはMPWが有効であることを明らかにした。 コイルのQ値を大きくするためには、磁性薄膜がキーポイントとなる。すなわち,磁性薄膜には大きな透磁率と抵抗率の両者をもつことが必要である。銅線コイルとFe薄膜をもつMPW、およびNiFe薄膜をもつMPWのQ値特性を有限要素法によって算出した。周波数13.56MHzにおけるコイルのQ値は、それぞれ、652と875、および1165であり、NiFe薄膜をもっMPWは銅線の1.8倍に向上した。すなわち、高透磁率と高抵抗率の両者を有するNiFeは、現状のFe薄膜をもつMPWよりも、長距離伝送と高効率化が期待できることが分かった。
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