2010 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属―希土類非晶質垂直磁化膜を用いた磁壁の電流駆動とテラビット記録への応用
Project/Area Number |
22360122
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
劉 小晰 信州大学, 工学部, 准教授 (10372509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 教授 (20115380)
安川 雪子 信州大学, 工学部, 特任助教 (10458995)
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Keywords | 電子材料 / スピンデバイス / スピントロニクス |
Research Abstract |
電流駆動型磁壁メモリーは次世代テラビット記録を実現ための最も有望なデバイスである。このメモリーの特徴は、磁区と磁区の間に形成される磁化スピンの方向の遷移領域、つまり磁壁に対して電流スピンが直接作用し、スピントルクによって磁壁が移動するものである。一般的な強磁性材料において、磁壁を電流駆動するための最小値、つまり閾値電流密度は約10^<12>A/m^2と非常に大きい。22年度では、フォトリソグラフィおよびFocused Ion Beam(FIB)装置を用いて、遷移金属-希土類非晶質垂直磁化膜TbFeCoのマイクロワイヤを形成し、その磁区構造、磁壁構造、異常ホール効果、スピン分極率を測定した。垂直磁化TbFeCoマイクロワイヤ中の磁壁に電流を印加し、磁壁の振舞いを観測した。印加電流の密度が1.5×10^<10>A/m^2(しきい値)以上になると、磁壁が電流の向きに依存して移動する現象を確認できた。このしきい値駆動電流がこれまで一般材料の約100分の1と極めて低い点にある。これらの研究結果は、飽和磁化M。を調整することによって臨界駆動電流密度を制御可能であることを示している。一方、TbFeCo薄膜の磁壁の厚さは約5nmであるため、その理論的なビット密度は、一ビットを5nmとすると、線密度では一インチ当たり5×10^6ビットを見積もることができる。すなわち、今年度の結果は、遷移金属-希土類非晶質垂直磁化膜を用いた電流駆動型磁壁メモリーが超高密度記録への応用が期待できることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)