2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノSQUIDによる超伝導スピンデバイス用均質ナノ粒子薄膜の磁気特性評価
Project/Area Number |
22360124
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
赤池 宏之 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20273287)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 朗 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20183931)
|
Keywords | 超伝導材料・素子 / 電子・電気材料 / ナノ粒子 / ナノSQUID |
Research Abstract |
本研究では、微小磁性ナノ粒子分散レジストパターンをデバイス内に組み込んだ超伝導スピンデバイス創製のための基盤技術の確立を目指している。そのために、磁性ナノ粒子分散レジストパターン形成技術、ナノSQUID作製技術を確立するとともに、このレジストパターンの磁気特性評価から、ナノ粒子分散レジストパターンの有効性評価を目的としている。平成22年度は、ナノ粒子として酸化鉄を用いたナノ粒子分散レジストパターン形成条件の検討を行い、ミクロン寸法のレジストパターン形成法及び極低温環境に耐えうる永久化法を確立した。さらに、通常のミクロン寸法のSQUIDを作製、そのインダクタンスの変化を見ることにより、その磁気特性の評価を行った。その結果、SQUIDが発生する100A/m程度の微弱な磁場領域では、SQUIDインダクタンスの変化は見られないことがわかった。この結果は、シミュレーションから得られる検討結果と一致した。そこで、ナノ粒子のパターン内密度を高めるため、レジストに分散させることなく、直接、ナノ粒子薄膜パターンを形成し、その影響を評価した。その結果、15%までのSQUIDインダクタンスの変化を確認した。また、その変化量はSQUIDの構造にも依存していることがわかった。一方、ナノSQUID作製プロセスについては、平面型ナノSQUIDの作製を目指し、窒化ニオブ超伝導体材料の特性を活かしたプロセスの検討を開始した。また、高温超伝導体ナノSQUID作製については、デバイス動作において重要となる磁束量子の振る舞いを数値計算により検討した。その第一段階として、時間に依存したGinzburg-Landau方程式を用いて、超伝導体薄膜の磁束排除効果を確認することができた。
|
Research Products
(6 results)