2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノSQUIDによる超伝導スピンデバイス用均質ナノ粒子薄膜の磁気特性評価
Project/Area Number |
22360124
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
赤池 宏之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20273287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 朗 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20183931)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超伝導材料・素子 / 電子・電気材料 / 磁性ナノ粒子 / ナノSQUID / 窒化ニオブ / ジョセフソン接合 |
Research Abstract |
本研究は、磁性ナノ粒子薄膜パターンを用いた超伝導スピンデバイス創製のための基盤技術の確立を目的としている。平成23年度までは、SQUIDインダクタンスを用いて磁性ナノ粒子薄膜の低周波での磁気的応答を評価してきた。それに対し、高速デバイスへの応用上、数十GHz以上の高周波での応答が重要なる。平成24年度は、酸化鉄ナノ粒子膜の磁気的効果に関して、SQUIDの共振特性を利用して評価した。SQUIDの共振ステップ電圧は、通常SQUIDのインダクタンスLとジョセフソン接合の容量Cとの積(LC積)によって決まってくる。そこで、粒径5nmのナノ粒子膜の形成前後でのステップ電圧を測定し、LC積の変化を見積もった。その結果、50GHzから200GHz程度までの周波数において、LC積の増加がみられた。また、周波数の増加に伴い、その増加率が21%から10%へと変化した。このLC積増加率について検討を行ったところ、その要因として、ナノ粒子膜中に形成された容量ネットワークの寄与があることがわかった。さらに、磁気的効果の寄与の可能性も示唆された。その他の検討として、SQUIDを用いた相互インダクタンス及び単一磁束量子(SFQ)回路を用いたSFQパルス伝搬時間について、ナノ粒子膜の効果を評価した。その結果、ナノ粒子膜形成による各特性の変化が確認された。これらの成果は、まだ、検討が必要なものの、超伝導スピンデバイス創製のための重要な知見となると思われる。一方、ナノSQUIDのための窒化ニオブ(NbN)トンネル接合の検討では、独自の障壁層形成方法により、世界最高水準の接合特性均一性を実現することに成功した。これにより、集積化ナノSQUIDの実現や、現在の4Kに対してシステムの低電力化を可能にする10K動作超伝導スピンデバイスの実現につながるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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