2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属/微小空隙/半導体構造アレイによる生体の電荷・準位分布分析デバイスの研究
Project/Area Number |
22360125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 瑞穂 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50157905)
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Keywords | シリコン / シリコン酸化膜 / 微小空隙 / 電荷分析 / センシングデバイス |
Research Abstract |
金/微小空隙/シリコン酸化膜/シリコン構造センシングデバイスの静電容量-電圧特性を測定することにより、デオキシリボ核酸のハイブリダイゼーションを電気的に検出した。センシング表面は、シリコンウェハを微細加工後、微小空隙に面するシリコン酸化膜表面にアミノシラン自己組織化単分子膜を付着させ、プローブとなるデオキシリボ核酸を固定化することにより形成した。デバイスは、プローブとなるデオキシリボ核酸を固定化したシリコンウェハと金薄膜を形成した石英基板をシリコン酸化膜スペーサを介して貼り合わせることにより製作した。微小空隙にターゲットとなるデオキシリボ核酸水溶液を導入後洗浄し、純水を導入してデオキシリボ核酸の負電荷に起因する容量-電圧特性の変化を観測した。プローブと相補的なターゲットデオキシリボ核酸を導入したときは、洗浄後でもセンシング表面の負電荷量が増加し、非相補的なターゲットを導入したときは、洗浄後では負電荷量がほとんど変化しないことを実証した。センシング表面での負電荷増加量から、ハイブリダイゼーションしたデオキシリボ核酸数を明らかにした。ハイブリダイゼーションは、蛍光色素を結合したターゲットデオキシリボ核酸を用いて、蛍光顕微鏡観察により確認した。金/微小空隙/シリコン酸化膜/シリコン構造センシングデバイスは、構造が単純であり、製作工程数を少なくできる意義がある。純水中でのハイブリダイゼーション検出の実証は、純水のデバイ長が長いため、塩基数の多いデオキシリボ核酸のハイブリダイゼーションを検出できる意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における生体の高感度センシングの実証、生体適合センシング表面の開発、生体センシングの周波数依存性の解明についておおむね順調に進展している。生体の高感度センシングの実証においては、センシング表面にプローブデオキシリポ核酸を固定化したデバイスの微小空隙にターゲットを導入することにより、デオキシリボ核酸のハイブリダイゼーションを高感度でセンシングできることを実証した。生体適合センシング表面の開発においては、デオキシリボ核酸ハイブリダイゼーション検出のセンシング表面にアミノシラン自己組織化単分子膜付着シリコン酸化膜、または金薄膜が適していることを実証した。生体センシングの周波数依存性の解明においては、低周波数では電極分極効果が大きく、高周波数ではデバイスの寄生抵抗の影響が大きくなり、デオキシリボ核酸センシングには中間周波数が適していることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を研究計画通りに遂行する。生体の高感度センシングの実証を継続して推進する。特に、デオキシリボ核酸のハイブリダイゼーションをより高感度でセンシングできることを実証する。生体適合センシング表面の開発を継続する。特に、デオキシリボ核酸ハイブリダイゼーションに適した溶液とセンシング表面との反応性を明らかにする。金属/微小空隙/シリコン構造アレイの製作を行う。ライン状シリコン領域形成シリコン・オン・インシュレータウェハとライン状金属薄膜形成石英基板をスペーサ絶縁体領域を介して貼り合わせてアレイデバイスを製作し、デバイス動作を確認する。
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Research Products
(4 results)