2011 Fiscal Year Annual Research Report
リコンフィギャラブル接合を基盤とした三次元集積化研究
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22360136
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 誉史 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (10374969)
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Keywords | インターコネクト / 三次元集積回路 / セルフアセンブリ / 耐熱性高分子 / パッケージ / 接合 |
Research Abstract |
22年度に選定した高表面張力液体(約60mN/N)であるポリアミドイミド(PAI)樹脂を用いて、3mm角のテストシリコンチップのセルフアセンブリとリコンフィギャラブル接合実験を行った。 テストシリコンチップには表面に熱酸化膜を形成し、セルフアセンブリの精度を評価した。比較のため、1%フッ酸(約70mN/N)と低表面張力液体(約40mN/N)であるポリイミド(PI)樹脂を用いた。アライメント精度は、フッ酸、PAI、PIの順に低下し、それぞれ平均1μm以内、1-2μm、約4μmであった。PAIはフッ酸よりは精度が低いものの、PIに比べると非常に精度が高くなることが分かった。 続いて、セルフアセンブリ後の接合強度を測定した。主に引張試験とシェア試験を行い、ベアシリコン、および表面に熱酸化膜を形成した3mm角のテストチップを用いた。セルフアセンブリ後に無負荷で接合させたベアシリコンチップでは接合強度が0.1kg以下を示したが、熱酸化膜を形成したシリコンチップでは、同条件で3kg以上、圧力に換算すると3MPa以上の高い強度を示した。一方、320℃で10分間、セルフアセンブリ後に真空中で熱圧着したチップでは、ベアシリコン、熱酸化膜ともに約4MPaの強度を示した。 しかしながら、このPAI樹脂接着層は、320℃で本硬化するとアミン等の剥離液に対して高い耐性を示すことが判明した。そこで、接着したチップを機械的に剥がすこと試みた。具体的には接着層の厚みを樹脂の濃度によって変え、この厚みによってチップの接合強度を制御することを検討した。樹脂厚を1μm程度まで薄くすることによって、対向するウェーハに転写できることを確認できた。この時、目的のウェーハとチップの接着はバンプ接合を想定して、エポキシ系のNCF(Non Conductive Film)を用いた。セルフアセンブリさせたチップとキャリアウェーハの界面の接合強度を1-3MPaの間に制御することで歩留りの高い転写が実現できた。現在、接合領域の接合面積や表面粗さ、接合表面の材質を変えてさらにこの転写技術を高度化するための実験データを取得している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
液体の表面張力を利用したチップの位置合わせ精度と一過性の接合、さらには接合後の転写技術の確立を目指しており、溶剤剥離を用いずに機械剥離を導入した点は当初の計画から変更が生じているが、目的の技術確立に対しては方向性は合っている。テストチップで転写実験まで行うことができている点を踏まえて、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、提案した剥離方式とは異なる手法を採用したが、これまでの溶剤剥離と新たな機械剥離を併用してチップ位置合わせ・仮接合・転写技術の確立をめざし、実デバイスチップに適用できるようにプロセルを構築したい。最終年度には、マイクロバンプやTSVが形成されたチップでこの技術を検証していく方針である。
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Research Products
(6 results)