2010 Fiscal Year Annual Research Report
新発明・磁気増幅ビーズを用いた超感度バイオセンサの開発
Project/Area Number |
22360139
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
SANDHU Adarsh 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 教授 (80276774)
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Keywords | バイオセンサー / 医療診断 / 磁性粒子マーカー / 蛍光マーカー / ホール素子バイオセンサー / 磁気増幅ビーズ / 高速な診断法 / 標的ナノ磁性ビーズ |
Research Abstract |
近い将来に、医療分野には大きなパラダイムシフトが訪れると予測されている。その際に生体分子間の相互作用を検出するシステム(バイオセンサー)が医療診断において極めて重要な役割を果たすと考えられる。本研究では、医療・バイオ分野における革新的な磁気センシング技術を開発する。すなわち、申請者が発明した「磁気増幅ビーズ」を利用して、既存の蛍光マーカー(光標識)式バイオセンサーの感度、約20pMに比べて100~1000倍以上の感度を持つ、「磁性粒子マーカー」(磁性ビーズ標識)式のバイオセンシング技術を開発する。このホールバイオセンサー装置は簡便、安価、軽量及びポイントオブケア型(在宅診断)である。さらに、医療分野の要請の一つとして、手術中に高速な診断法の開発が求められている。本研究の成果によって手術の方式をより低侵襲的にするなどして、患者の生活の質を向上できると期待される。平成22年度実施計画では磁気極子互作用の理論に基づき、標的ナノ磁性ビーズと磁気増幅ビーズの間に生じる力を理論的に調べ、その結果に基づいて実際に一個の磁気増幅ビーズを捕獲するには、何個の標的ナノ磁性ビーズが必要かを実験で確かめる。実際は露光工程で標的ナノ磁性ビーズ直径:8nm~130nmをシランカップリング法により酸化膜基板上1.0μm~5.0μm角の範囲内に固定化し、標的ナノ磁性ビーズの個数を変化させて固定化した。さらに標的ナノ磁性ビーズを固定化した基板を溶液中に入れ、外部磁場を印加しつつ、直径1.0μm~3.0μm磁気増幅ビーズを流し、磁気増幅ビーズが標的ナノ磁性ビーズ上に捕獲される状況を光学顕微鏡で観察した。結果は予測したようになり、磁気増幅ビーズの直径が大きくなりとともに必要な標的ナノ磁性ビーズ個数が増加する傾向が分かった。
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