2011 Fiscal Year Annual Research Report
新発明・磁気増幅ビーズを用いた超感度バイオセンサの開発
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22360139
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
SANDHU Adarsh 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 教授 (80276774)
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Keywords | バイオセンサ / 医療診断 / 磁性粒子マーカー / 蛍光マーカー / ホール素子バイオセンサ / 磁気増幅ビーズ / 高速な診断法 / 標的磁性ビーズ |
Research Abstract |
近い将来に、医療分野には大きなパラダイムシフトが訪れると予測されている。その際に生体分子間の相互作用を検出するシステム(バイオセンサー)が医療診断において極めて重要な役割を果たすと考えられる。本研究では、医療・バイオ分野における革新的な磁気センシング技術を開発する。すなわち、申請者が発明した「磁気増幅ビーズ」を利用して、既存の蛍光マーカー(光標識)式バイオセンサーの感度、約20pMに比べて100~1000倍以上の感度を持つ、「磁性粒子マーカー」(磁性ビーズ標識)式のバイオセンジング技術を開発する。このホールバイオセンサー装置は簡便、安価、軽量及びポイントオブケア型(在宅診断)である。さらに、医療分野の要請の一つとして、手術中に高速な診断法の開発が求められている。本研究の成果によって手術の方式をより低侵襲的にするなどして、患者の生活の質を向上できると期待される。平成22年度実施計画では磁気極子互作用の理論に基づき、標的ナノ磁性ビーズと磁気増幅ビーズの間に生じる力を理論的に調べ、その結果に基づいて実際に一個の磁気増幅ビーズを捕獲するには、何個の標的ナノ磁性ビーズが必要かを実験で確かめる。本年度は昨年の理論及び実験結果に基づいて、InGaAs/AlGaAs系検出部が~3μmを有するホールバイオ素子上に化学手法を用いて直径50-250nm標的ナノ磁性ビーズを固定化し、直径~3μm磁気増幅ビーズに外部静磁界を印加して磁気結合により標的ナノ磁性ビーズ上に捕獲させ、ホール素子の出力電圧が期待した通り増幅されることが明らかになった。尚、磁気増幅ビーズを磁気結合させた後、独自に開発した「パルス反転・交流磁界変調法による高感度ホール素子検出方式」を用いて、ホール素子の磁気信号を測定した。今後は生理活性物質を介した、ホール素子上への標的ナノ磁性ビーズの固定化および磁気増幅ビーズの磁気結合による超高感度ホールバイオセンサの実現を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
バイオホール素子作製、ナノ粒子固定化及び増幅磁性捕獲という工程が予測より早く立ち上がり、様々な実験が非常に順調に実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は計画通り進む予定である。予測した成果は大いに期待できる。
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Research Products
(1 results)