2011 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン集積センサ構造リポソームインタクト固定化バイオセンサ技術の安定化・高度化
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22360144
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
野田 実 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20294168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 寿徳 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (10335383)
山下 馨 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40263230)
寒川 雅之 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (70403128)
福澤 理行 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (60293990)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / ナノバイオ / バイオデバイス / リポソーム / 固定化 / バイオセンサ / 漏れ電流 / インピーダンス |
Research Abstract |
本年度申請研究では、(1)リポソームバイオセンシング技術・センサの精度・性能を一層向上、安定化、(2)リポソーム系バイオ材料を基盤としたタンパク質等重要バイオ分子の検出・動的挙動の評価を一層進展させ、(3)新しい検知原理(特に電子デバイス工学観点に基づく)として(1)リポソーム固定化バイオ(高周波:0.1G-数十GHz帯)インピーダンスセンサを試作、評価、さらに(2)リポソーム固定化蛍光センサアレイ手法の構成に着手した。 その結果、(1)では用いるリポソーム系バイオ溶液自体の化学特性を検討し特性安定化・再現性向上を図った。特に漏れ電流センサでの実験、測定数を増やし各種依存性における測定結果再現性を十分高められた。またカンチレバーセンサ上リポソームインタクト固定化状態の保持安定化の検討を各種評価手法で進め、ナノ構造制御表面上でのインタクト性も含めて検討した。(2)では後述の高周波インピーダンスセンサと関係するが、上記周波数帯高周波誘電分散解析によるリポソームーターゲットバイオ分子間相互作用の各種依存性解析により、リポソーム表面水和水挙動が前記相互作用の特徴、強度の定量的指標になりうる可能性が示唆された。(3)(1)従来一般的に検討されてきた数10MHz以下とは異なる0.1G-数十GHz帯インピーダンスセンサの設計、試作をさらに進め、特に微小定量バイオ溶液の供給固定化のための保持構造をSU-8厚膜誘電材料で導入した結果、高周波等価回路定数の変動に伴う共振特性が検知周波数領域に発生したため保持構造条件を検討中であるが、保持構造を小さくすると共振特性も小さくなり、超純水液滴測定でのSパラメータを変換導出した容量特性(誘電率特性に対応)は上記誘電分散特性と対応することを確認した。(2)蛍光分子封入リポソームとターゲットバイオ分子の相互作用により漏出する蛍光分子の発光経時特性の計測システムを新たに考案、試作、評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初研究調書に記載した研究項目にはおおむね着手できており、各々それぞれに進捗できていると考えているため。特に本研究におけるリポソームバイオセンサは電子デバイス工学観点に基づく種々の検知原理実現の可能性を示し得ており、複数の展開実現性を示し得ている点では計画以上に進展していると考えている。最終年度はこれら各々の特性理解、性能向上を一層進めて行きたい。
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Strategy for Future Research Activity |
上記各々のリポソームバイオセンサ個別技術については、最終年度それら各々の特性理解、性能向上を着々と進展させて行く。一方で、電子デバイス工学的には最終目的となるリポソームバイオセンサの集積技術化としての信号処理技術検討は遅れている。申請当初研究調書に記載したように、本研究全体としては基盤技術としての各センサ技術の向上を実現することを最後の信号処理技術検討よりも優先したいとしており、その意味で順調に進展してきたと認識しているが、前年度進みだした蛍光センサアレイ計測システムを出発点として、集積後信号処理技術につき有意義な構成方法の提案当具体的実施を行いたい。
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Research Products
(12 results)