2010 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク・アウェア・サービス指向型システム構成論に関する研究
Project/Area Number |
22360153
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 豊 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00135526)
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Keywords | ネットワーク・LAN / トラヒック / ネットワーキング / 性能評価 / モデリング / ワイヤレス・ネットワーク / マルチホップ / QoS |
Research Abstract |
平成22年度においては次の研究成果が得られた。 1. サービス指向型システムにおいては、システム性能が各サービス品質に与える影響は平均だけでは見積もれず、分布を知る必要があり、高品質性を保証するためには裾分布が重要である。待ち行列理論におけるM/G/1モデルはサービスシステムを数理的にモデル化する際に広範囲に用いられる基本モデルであり、このモデルの系内客数の裾分布の漸近特性を解析した。 2. コールセンター、コンタクトセンターはネットワークを介した大規模サービス集約型システムであり、問い合わせ、照会、注文などのトラヒック量に応じた最適なリソース配置を決定する重要な問題であるが、発呼時に接続できないリクエストの再呼が容易になり、さらには自動化されたため、この影響を考慮したシステム構成論が喫緊の課題である。 旨このために、リトライアル型待ち行列モデルで厳密に解析できる範囲を拡張し、さらに再呼の途中で諦めるユーザ行動を考慮したモデルを提案し、その性能解析手法を開発した。 3. ストリーミング・サービスにおいてはブロック廃棄が連続すると急激に画質に大きな影響を与えることが知られており、ネットワーク環境がこの連続性を如何に左右するかを解析的に解明した。 4. Peer-to-peer型のストリーミングで並列的にダウンロードを行うと、データブロック全体の整合を図るための同期待ちがシステム性能に大きな影響を与える。これを評価するためのトラピック・モデルを提案し、その性能解析手法を開発した。解析を基に並列度と同期待ちの関係が明らかになった。 5. マルチ・ホップ無線LANにおけるスループット向上の有効策としてネットワーク・コーディングが注目されている。その向上度を計るための基本的なモデルを提案し、性能解析を行った。数値結果を基に、end-to-endの最大スループットに関する知見を得た。
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