2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22360155
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高田 篤 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00548563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 正文 大分大学, 工学部, 教授 (60448545)
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Keywords | フォトニックネットワーク / 光源技術 / 先端的通信 / 光増幅 / 光信号処理 / 光PLL / 光非線形効果 |
Research Abstract |
本年度は以下の検討を行った。 (1)WDM信号パラメトリック一括増幅回路構成技術の検討: 非縮退光パラメトリック増幅(OPA)を適用した位相感応増幅(PSA)法において、パラメトリック媒質として高非線形ファイバと周期分極反転強誘電体結晶導波路を用いた場合の利得特性と波長チャネル間クロストークを数値計算により求めた。また、QPSK変調光に対する非縮退OPAによるPSAの基本増幅特性を数値計算により得た。更に、BPSK信号光に対してPLL制御励起を適用し、高非線形ファイバを用いた縮退パラメトリック型位相感応増幅実験を実施し、初期的データを得た。上記のWDM信号の一括PSAの定量的検討は世界で初めてであり、今後の基本設計技術につなげていく。 (2)光位相同期回路構成法の検討: 12.5Gbit/sまで動作可能なBPSK変調信号用decision-directed homodyne detection回路を試作開発し、動作を検証した。その後PSA励起を実現するためループフィルタを調整して光VCOたる光周波数シフタへ帰還させて動作させたところ、十分な位相同期状態を確認できた。当初目標を達成しており、今後伝送実験へ展開する。 (3)PSA中継増幅による再生中継間隔の評価: QPSK信号光に対して、非縮退OPAを適用したPSAを中継増幅器とするシングルチャネル多中継伝送系について、信号対雑音電力比の劣化と符号間干渉により制限される再生中継間隔を数値シミュレーションにより検討し、従来型増幅中継器を適用した場合の数倍以上の延伸効果の可能性を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討課題(1)、(2)、(3)について平滑するとほぼ当初計画とおり進展している。具体的にはWDM信号の一括PSA増幅および、多中継伝送系の再生中継間隔に関する理論検討部分については、当初計画では、計算に取り入れないこととした要因についても、シミュレーションに取り入れやや前倒しで検討した。一方、実験的検討についてはPSA動作の基本データを得たものの、当初期待した利得は得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)一括増幅回路構成技術:所定の増幅特性を得るために要求される光パラメトリック媒質の材料パラメータと励起回路条件を詳細に検討し、一括増幅回路の基本設計法の確立に結び付ける。 (2)光位相同期回路構成法の検討及び項目(1)と合わせた実証実験:光QPSK信号に対して非縮退光パラメトリック増幅に適用するためコスタスループ型励起光位相同期回路を検討する。更に、非縮退光パラメトリック増幅回路と組み合わせて、QPSK信号の位相感応型光増幅の原理実証実験を行う。 (3)PSA中継増幅による再生中継間隔の評価:信号劣化要因として、波長チャネル間クロストークを加えて位相感応型光増幅多中継伝送特性をシミュレーションにより明確化する。
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Research Products
(5 results)