2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360162
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
莅戸 立夫 富山大学, 理工学研究部(工学), 准教授 (00261149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 博幸 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (60221933)
ベイ ジョンソク 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20165525)
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Keywords | ミリ波 / マイクロスコピー / 走査型近接場顕微鏡技術 / パッシブ計測 / 無侵襲計測 / 画像化 / 温度分布計測 / 低温 |
Research Abstract |
本研究は,電波であるミリ波を用いた新たな画像計測技術,ミリ波帯パッシブマイクロスコピーの開発を目的としている。研究代表者等が提案し研究・開発を実施しているミリ波帯走査型近接場顕微鏡技術とミリ波帯で培われている高感度信号計測技術を組み合わせることにより,物体から自然放出されている熱雑音の内のミリ波成分を受信して,回折限界をはるかに超える微小空間分解能での画像化が可能であると考えている。ミリ波帯パッシブマイクロスコピーを実現するための計測システムを構築し本システムの特性評価を実施すると共に,微小空間分解能での温度分布画像化を検討し,ミリ波帯パッシブマイクロスコピーの有用性を実証する計画である。本年度実施した具体的な検討事項,得られた成果等を以下に示す。 ミリ波帯パッシブマイクロスコピーを実現するための計測システムを50GHz帯で開発するために,主にハードウエアに関する検討を実施した。ミリ波帯熱雑音信号のセンサーである近接場プローブとしては,高感度かつ高分解能化を実現するために,金属導波管を用いた従来のスリット型プローブに半導体プロセスで製作した微小スリット開口を有するチップを装着する,新たなプローブ構造を考案した。チップの製作プロセスに関する基礎検討,チップも含めたプローブの最適化設計を実施し,本プローブがミリ波帯パッシブマイクロスコピーを実現する上できわめて有効なセンサーとなり得ることを明らかにした。 センサーで検出された熱雑音信号を受信するための高感度ヘテロダイン受信器の設計・製作を完了し,更に計測システムの特性評価及び画像化実験で測定対象として用いる標準試料の製作に関する検討も実施した。 以上の検討により,計測システムを構築するための重要な指針が得られ,次年度より計画するシステム開発への準備が整ったものと考えている。
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Research Products
(3 results)