2010 Fiscal Year Annual Research Report
ライダとレーダの同時観測による雲から地上までの時空間降雪解析
Project/Area Number |
22360164
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
村本 健一郎 石川工業高等専門学校, 校長 (70042835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 守 金沢大学, 電子情報学系, 助教 (90249772)
藤吉 康志 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
椎名 徹 富山高等専門学校, 教授 (80196344)
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Keywords | 水蒸気分布 / 降雪粒子分布 / 3次元分布 / Z-R関係 / 降雪粒子諸特性 |
Research Abstract |
気象レーダは降水粒子を広範囲の空間について時間的に連続してリアルタイムで観測できるので,降雨・降雪(両者をまとめて降水と呼ぶ)の広域観測や予測に広く用いられている。一般にレーダ反射強度Zと実際の地上の降水強度Rとの関係は,Z-R関係と呼ばれる。この関係は降雨についてはほぼ確定しているが,降雪については確定していないのが実状である。この原因は降雪現象が降雨現象に比べて多くの要素が複雑に関与していて,レーダ反射に影響を与える降雪粒子の諸特性(形状,落下速度,密度等)が降雪の種類によって様々になることに原因がある。従って,降雪の場合のZ-R関係は降雪の種類ごとに確定するのが現実的である。 このためには,短い時間間隔で変動する降雪粒子の種類ごとの観測を行い,さらに上空の気象レーダの観測空間の降雪粒子と地上で観測される降雪粒子とを対応させる必要がある。 今年度は以下の研究を行った。 (1)落下中の降雪粒子の物理的諸特性(形状,落下速度,密度等)を測定するために、地上から約1.5mの高さの観測空間(約20cm立方)に落下する降雪粒子をCCDビデオカメラにより撮影するシステムを構築した。このシステムにより粒子映像を実時間画像処理し,画像特徴量を求めた。様々な画像特徴量を組み合わせて,粒子を雪片とアラレに分類する手法を開発した。 (2)降雪粒子を容器に収集し,容器の中に積もった粒子の重量を電子天秤を用いて測定し、高感度かつ高頻度の降雪強度R(最小量:0.05mm/h,時間分解能:10秒)を取得するシステムを構築し、データを収集した。 (3)気象学的な大気の水蒸気循環の基礎研究として、レーザー分光法を用いて大気水蒸気の安定同位体比の連続測定を行った。 (4)複数台のシーロメータを数km離れた位置に設置し、降雪雲(水蒸気)の空間的な分布を測定するシステムを構築した。
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