2011 Fiscal Year Annual Research Report
状態ジャンプ系変換を用いた非線形系の制御に関する研究
Project/Area Number |
22360167
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山下 裕 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90210426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 文一 東京理科大学, 理工学部, 講師 (70362837)
西田 豪 独立行政法人理化学研究所, 基幹研究所, 基幹研究所研究員 (80435669)
西村 悠樹 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20549018)
都築 卓有規 島根大学, 総合理工学部, 助教 (90452549)
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Keywords | 状熊ジャンプ / 制御工学 / 最小射影法 / 制御リアプノフ関数 / 移動体制御 / 非線形制御 / 安定化制御 |
Research Abstract |
・動的補償器により空間を拡張した場合の制御リアプノフ関数の低次元化手法に関して、得られた制御リアプノフ関数の性質(リプシッツ連続性・局所半凹性)を明らかにした。また、例題により、入力に積分器を付加して動的拡張をした場合の制御則構成法を提案したが、詳しい理論的裏付けは次年度への宿題である。 ・4輪移動ロボットの障害物回避問題に関して、前進用の(微分不可能な点を許容する)制御リアプノフ関数と後進用の制御リアプノフ関数の空間の間をジャンプさせることで、切り返しを行いつつ自動的に障害物を回避し目標点に向かう方法を開発した。小型移動ロボットで実際に実験し良好な結果を得ており、最小回転半径より小回りが必要な状況でもこまめに切り返しを行い、目標を達成する様子が観察できた。 ・フォーメーション走行問題に対し、複数の空間の張り合わせをしてジャンプさせることで、グローバルなフォーメーション構成を実現したが、指令値の変化に対するリーダー=フォーメーション安定性を厳密に証明した。 ・非対称な状態制約を持つ場合の制御リアプノフ関数の生成法として、多数のLQ問題を解きその結果得られた値関数を合成することで広い収束範囲を持つ制御リアプノフ関数を構成する方法を昨年度示したが、その目標点を容易に変更可能である利点を生かした積分器を含むサーボ系の新たな構成法を提案した。 ・状態が重なり合う空間での最適制御の近似解法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しており、意思決定を含む制御系設計問題を、数理的に「状態間のジャンプ」という見方で解く方法を提案してきている。一方、スイッチング系に関しては従来の方法に対する利点が明らかではなかったので、dead timeを考慮したスイッチングを数理的に出す方向に若干の方針転換を次年度以降考えたい。
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Strategy for Future Research Activity |
・Dead timeを考慮したPWMスイッチングのロジックをジャンプ系で表現したい。 ・ヒステリシス系は、高次スライディングモードのチャタリング防止の観点で考えたい。 ・動的補償器の観点では、動的補償器を用いて作られた制御則をもとに静的フィードバックを作る方法の理論的裏付けをする。そこではジャンプ間隔を徐々に短くする過程をサンプリングソリューションの観点で見直し、S安定性を結論づけたい。
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Research Products
(30 results)