2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360169
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三平 満司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00196338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 和真 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80593558)
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Keywords | 機械力学・制御 / 制御工学 / 数理工学 / 劣駆動システム / 非線形システム解析 / 非線形システム制御 / 制御実験 |
Research Abstract |
本年度の研究実績として以下の成果を得た。 1.劣駆動系の制御の分類と制御問題の整理 (1)発散する素早い動きの生成 ・入力が自由度よりも一次低い一般の機械系システムに対しゼロダイナミクスが爆発不安定になる十分条件を明らかにした。 ・人間の垂直跳躍運動をモデル化した4リンクジャンプロボットについて解析をおこない、跳躍運動を角運動量、重心位置に同期しておこなう制御則を提案した。この制御則を適用することでシミュレーションを通して人間のようなスムーズな跳躍運動が実現できることを確認した。 (2)リミットサイクルの生成 ・デングリボットという曲率を有するリンク形状からなる2リンクシステムに対し、周期的なエネルギー励起制御を提案し、前年度までの成果と合わせることで、安定な状態からの起き上がり運動、連続回転運動安定化を実験によって実現した。 2.理論展開 (1)相対次数構造という非線形システムのシステム構造解析に基づき、二入力非線形システムを入力の拡大によって厳密に線形化するためのアルゴリズムを導いた。上下倒立振子という具体的な機械システムに対しアルゴリズムを適用することで、厳密な線形化を実現する入力の拡大を導出した。 (2)入出力線形化における可制御性の特異点を相対次数という観点で捉え直すことで、特異点においても破綻しない制御則を生成する出力関数の条件を明らかにした。 (3)線形化出力を時変に設計する新しい手法を提案し、アクロボットと呼ばれるシステムの姿勢制御問題に対して滴用し有効性をシミュレーションで検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
投球運動や跳躍運動などの素早い発散する動きを生成する制御、デングリボットや走行などのリミットサイクルの生成する制御、可制御性が変化するシステムに対する制御則など、劣駆動系の制御問題を分類しそれぞれに対し具体例と制御則を提案している。また相対次数構造に基づいた新しい視点による理論展開も進んでおり、解決しなければならない問題は多く残ってはいるが、研究計画としては概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに得られた結果をさらに進展させると共に、得られた知見を新しい対象に対しても積極的に適用することで本研究課題を進めていく。
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