2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会基盤マネジメントの臨床的技術戦略論:地域ニーズと技術シーズの乖離と克服
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22360171
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀田 昌英 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50332573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸堂 康之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30336507)
松本 高志 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (40301121)
石田 哲也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60312972)
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Keywords | 建設マネジメント / 技術革新マネジメント / 技術戦略論 / SCOT / アクターネットワーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、技術革新に関する既往研究に依拠しつつ、社会基盤の地域ニーズと技術シーズの乖離を効果的に記述するモデルの選定を行った上で,そのモデルを現在の問題へ臨床的に適用するための技術戦略論を構築することである。本目的を達成するために、平成22年度は下記を実施した。(1)研究分担者および連携研究者が開催した研究会で対象事例の報告および考察を行った。取り上げた事例は、直列型自己切返し堆肥化プラント技術のタイへの移転、社会基盤整備における新技術の実用化に関する諸問題、エチオピアの農村における農業新技術の社会的受容可能性の3件である。本研究会の議論を通して、地域ニーズと技術シーズの乖離が解消される過程を分析するための異なるアプローチを整理した。(2)沖縄県において、電源開発株式会社石川石炭火力発電所とゴムシートによる表面遮水工を採用した世界初の海水揚水発電所である,同沖縄やんばる海水揚水発電所を視察し、関係者への聞き取り調査を行った。本調査では、電力の安定供給という地域ニーズ先行型の事例と、世界初の工法の採用という技術シーズ先行型の事例との比較を行い、新規高度技術の実用化に伴う問題点を検証した。(3)インド国において現地調査を実施し、衛生分野で先駆的な活動を行っている非政府組織を訪問した.本調査では、トイレの技術開発とその普及に付随した社会的変容可能性を分析した。調査の結果、技術開発が社会に変容をもたらすとともに、文化や社会が技術に影響を与えるという技術と社会の双方向的な影響構造を明らかにした。また、技術普及における教育・保健プログラムの実施等を組込んだ包括的アプローチの重要性、官民協調の有効性等、Social Construction of Technologyモデルを分析視角として今後の課題を整理した。以上の通り,本研究の実施計画で示した1)事例調査,および2)その結果の構造化・モデル化について当初計画していた成果を上げることができた。
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Research Products
(17 results)