2012 Fiscal Year Annual Research Report
石造アーチ技術の再評価による高耐久・長大石橋の開発
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22360172
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山尾 敏孝 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40109674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 光輝 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90411230)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 長大石橋 / 石アーチ模型 / 接触・摩擦モデル / 3次元動的解析 / 健全度評価 / 周波数特性 / 静的・動的載荷実験 |
Research Abstract |
放物線形状を有する長大スパンを有する石造アーチ橋の開発を引き続いて行なうことができた。実際に設計する場合の設計ガイドライン等も必要であることから、中国で用いられている長大アーチ橋の設計手法の日本語翻訳に協力した。開発した解析手法では石材の接触モデルを用いているが、モデルの間隙量と接触圧の関係を求める必要があり、試行錯誤でなく実験的に求めることを試みた。しかし実験例が少ないので今後他の石材での検討が必要である。また、解析では,2種類の解析プログラム開発を目指しており、両者を比較しながら石橋の挙動特性を検討している。解析では摩擦モデルを適切に適用することで,崩落現象までの挙動の再現が十分可能であることを確認した.これらの解析結果から石橋の長大化が十分可能であることが示されたので、さらにパラメータ解析を行い、開発を進めたい。 石アーチ模型の静的載荷実験では、スパン・ライズ比が0.2と0.35の模型を使用して集中載荷を作用させ、石材間の接触圧や圧力の分布方法および石材の割れを発生させるメカニズムの解明を行った。作用荷重を増加させた結果、アーチ輪石の組み方により石材の角が作用することにより長い石材の割れが発生する様子が確認できた。動的載荷試験では、長大石橋を想定した模型モデルを用いたが剛性が小さ過ぎたため周波数特性を求めるまでできなかった。また、形状が違う実石橋を対象に、常時微動を測定することにより石橋の周波数特性を加速度等の測定によりの把握し、20ton大型車両走行実験による静的強度及び動的挙動特性を把握することができた。また、得られた固有の周波数特性や卓越振動数は非常に高く、アーチ模型の場合と対応が見られた。多様な損傷形態に対応した石橋の適切な補修・補強対策についても検討を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
座標測定データから3次元解析へのモデル化および解析の実行、模型実験の実施などほぼ予定通りの研究をすすめることができているが、実験の精度については載荷方法を変えて再実験を行い、解析手法との比較検討行う。実石橋の動的解析に向けて、実石橋の固有振動数など動的特性の把握に関しては、まだ多くの実測データが必要である。また、長大石橋の開発についてはほぼ目途がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
開発中の解析手法の高精度化や有効性の検討、実石橋の点検手法も含めて健全評価法の確立を目指す予定である。また、実石橋を対象に静的・動的解析手法の精度を上げることが必要である。また、研究成果の公表もさらに活発に行う予定である。
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Research Products
(8 results)