2010 Fiscal Year Annual Research Report
疲労き裂が発生した鋼橋部材の残存寿命評価技術の開発
Project/Area Number |
22360177
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舘石 和雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80227107)
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Keywords | 疲労き裂 / 破壊力学 / 鋼橋 / 維持管理 / 疲労限界状態 |
Research Abstract |
面外曲げ応力下における貫通き裂の進展挙動の解明 鋼床版のデッキプレートに発生するき裂のように,疲労き裂を引き起こす応力が面外曲げ応力(板曲げ応力)である例は非常に多い.従来は板厚貫通時点を疲労限界とみなしていたため,その後のき裂の進展挙動についてはあまり注意が払われてこなかった.しかし本研究の目的のためには,板厚貫通後の面外曲げ応力下におけるき裂進展特性を詳細に把握しておくことが必要不可欠である. 平成22年度においては,疲労き裂を導入した試験体に面外曲げの繰り返し応力を作用させ,疲労き裂の進展量を計測することによってき裂進展速度を求めた.試験パラメータは応力比である,一方,有限要素解析により,板厚方向の応力拡大係数の分布を明らかにした. その結果,面外曲げ応力下においては,貫通き裂はその前縁の形状が曲線を保ったまま進展すること,それによって,板厚方向の応力拡大係数の分布はほぼ均一なものとなることが新たに判明した.さらに,板厚方向にほぼ均一となる応力拡大係数を,引張載荷時のそれから予測する手法について明らかにした.本結果は,次年度以降のき裂進展シミュレーションの構築に向けて重要な知見となるものと考えている.
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