2012 Fiscal Year Annual Research Report
疲労き裂が発生した鋼橋部材の残存寿命評価技術の開発
Project/Area Number |
22360177
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舘石 和雄 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80227107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
判治 剛 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80452209)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 疲労き裂 / 破壊力学 / 溶接継手 / 面外曲げ / 応力拡大係数 |
Research Abstract |
疲労き裂進展速度を支配する破壊力学パラメータである応力拡大係数に着目し,さまざまな板厚,き裂長,載荷モードの基での応力拡大係数を有限要素解析によって求め,その一般的性質について明らかにした.解析の結果,面外曲げを受けるき裂の板表面における応力拡大係数は,板表面において同じ大きさの応力を受ける単純引張時のそれと比較して小さくなることや,圧縮域で生じるき裂の閉口現象によって応力拡大係数が小さくなることなどを示した.また,板厚方向の応力拡大係数の分布を定量的に求めることにより,実際のき裂は,き裂前縁が曲線的に変化するように進展していくことを,疲労き裂進展解析によって確認した. さらに,平板に疲労き裂を導入した試験体に対して様々な応力比でき裂進展試験を実施し,き裂前縁形状とき裂進展速度を実験的に明らかにした.また,試験体を対象とした有限要素解析により,応力拡大係数の板厚方向分布を求め,破壊力学の観点から,実験により得られたき裂進展挙動を説明することに成功した.さらに,面外曲げを受けるき裂の応力拡大係数範囲を簡易に推定する手法を提案し,き裂進展速度を比較することで,その妥当性を実験的に検証した. 複雑な進展挙動をとるき裂の例として鋼床版のUリブ-デッキ溶接部の板厚貫通き裂を取りあげ,その進展挙動について破壊力学の観点から明らかにした.溶接ビードまでを忠実にモデル化した3次元有限要素解析を実施した結果,このき裂の応力拡大係数は載荷点とき裂先端の位置関係によって複雑に変化するが,き裂長がある程度長くなると,き裂進展方向が変化する可能性が高くなることを示した.これは実際に生じているき裂の進展挙動と定性的に一致する結果であり,本研究でのアプローチにより,実橋梁に生じるき裂の複雑な進展挙動を予測できることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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