2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高圧脱水成型機構を用いた超大型3Rソイルコンクリートの開発研究
Project/Area Number |
22360188
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠間 清伸 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10315111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善 巧企 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50304754)
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Keywords | 固化処理 / 3R / 粘土 / リサイクル / 高強度 / 脱水 / 大型化 / ヘドロ |
Research Abstract |
浚渫土砂処分場が飽和状態にあることから,浚渫土の効果的な減容化や再上生リサイクルの方法が強く求められている.著者らの研究グループでは,軟弱な浚渫土の強度増加を目的として,浚渫土に固化材を添加した直後に高圧機械脱水を行う「脱水固化処理」という新たな材料再生技術の開発を行ってきた.これまでに浚渫土砂に脱水固化処理を施すことにより,実物大の浚渫土ブロックの作製に成功している. 本年度は,脱水固化処理により作製した浚渫土ブロックの実用化に向けた基礎的な実験を行い,浚渫土ブロックの均質性および強度特性の評価を行った.さらに,実海域における浚渫土ブロックの暴露を行い,長期耐久性の評価および生物付着状況の調査を行った. 本年度の研究成果をまとめると以下のようなる. (1)高さ方向に含水比の均質な浚渫土ブロックを作製できた.より均質な浚渫土ブロックを作製するためには,脱水終了時間を短縮し,固化材の固化反応による影響を小さくすることが有効と考えられる. (2)一軸圧縮強さと水セメント重量比との間には,強い相関が見られたため,一軸圧縮強さは,母材の種類や固化材添加率によらず,水セメント重量比に支配されると考えられる. (3)本研究で作製した浚渫土ブロックは,12ヶ月間どの環境に暴露しても,コンクリートに匹敵する強度を維持できるといえる. (4)乾湿および海中暴露した浚渫土ブロックに付着した生物の出現種数は,対照区とほぼ同様であった.したがって,浚渫土ブロックは,他のコンクリート製海洋構造物と同様に用いることができる. (5)目標一軸圧縮強さから,浚渫土ブロックの脱水圧力P,固化材添加率Cおよび脱水前配合量を決定するフローを提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画であった「1)大型ソイルコンクリートのマスとしての実海洋環境での影響評価」,「2)実環境条件における長期強度特性と環境工学的な安定性の評価」は,十分には達成できたといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果により,浚渫土ブロックの均質性および強度特性,耐久性および現地適応性を評価し,実用化に関して支障ない結果が得られた.しかしながら,浚渫土ブロックの作製には,脱水時間が長いため,実用化に向けて脱水時間の短縮化の検討が必要であるといえる.
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Research Products
(6 results)