2010 Fiscal Year Annual Research Report
開端杭の支持力メカニズムの解明と支持力推定手法の高度化
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22360191
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
菊池 喜昭 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部, 部長 (40371760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 崇亮 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部, 主任研究官 (70371763)
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Keywords | 杭の支持力 / 開端杭 / 閉塞効果 / X線CT装置 |
Research Abstract |
平成22年度には,杭貫入時の杭周辺地盤の挙動をX線CT装置を用いて観察した.中間に礫を含む層厚が杭径程度の地盤がある場合で,礫層より下の地盤密度の粗密(Dr=23%,65%)によって,周辺地盤の挙動に違いがみられた.すなわち,礫層より下の地盤の密度が低い場合には,杭先端が礫層内にある場合でも下の地盤の変形が生じ,杭の貫入量に対し十分な抵抗が見られない傾向にあった.このほか,このシリーズの実験では,礫層の層厚や杭の閉塞の程度を変えた実験における杭周辺地盤の変形挙動を観察した.また,X線CT装置では,模型サイズが小さく,貫入抵抗の推定精度に限界があるため,外径25cmの模型杭を用いた中間礫層を有する地盤での貫入実験を行い,中間層の有無による貫入抵抗の変化についても検討した. 貫入時の貫入抵抗発現に関する検討では,計画を前倒しして,杭の打設方法として静的貫入方法と打撃による貫入方法の2種類の打設工法を用いて実験をした.また,地盤条件としては,砂地盤で乾燥状態と飽和状態の2種類の地盤条件での実験とした.乾燥地盤と飽和地盤の両者の開端杭の貫入時の杭の閉塞状況にはあまり大きな差がないという結果となった.しかし,これらの方法で貫入した後に静的貫入実験を行うと,特に飽和地盤では,貫入抵抗と貫入量の関係に打設方法の違いがみられ,打撃貫入をしたほうが,少ない貫入量で大きな関入抵抗がみられる傾向にあった,このことからすると,打設方法の違いによる杭の支持力の違いは管内に貫入してくる土の量だけからは評価できず,杭の周辺の地盤の挙動についてさらに詳しく検討することが必要であることが分かった.今後X線CT装置内で打撃貫入実験を行っていく予定としている.
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