Research Abstract |
平成22年度に実施した貫入方法の違う2種類の打設工法(静的貫入と打撃貫入)を用いた貫入時の貫入抵抗の違いに関する検討の結果,乾燥地盤と飽和地盤の両者の開端杭の貫入時の杭の閉塞状況にはいずれもあまり大きな差がなかった.このことから,杭の発現支持力を検討するには,周辺地盤の挙動を把握することが必要であると判断した.そこで,平成23年度には,X線CT装置内で静的貫入と打撃貫入とによる杭周辺地盤の挙動の違いを観察した. 実験には,内径100mmの円筒形の土槽を用いた.地盤材料には相馬珪砂4号(D50=0.77mm)を使用し,D_r=70%の模型地盤を作製した.模型杭には直径15mm,肉厚1mmのアルミ製の開端杭を使用した.実験の結果,打撃貫入中は,(1)静的貫入の場合よりも管内土が低下し,(2)杭下端以下の地盤が水平方向に変位し,(3)杭下端以下のせん断ひずみが大きく出た.その後に静的貫入をすると,貫入の初期には,打設方法の違いによる周辺地盤の変位・変形挙動こ差があるが,5mm程度の貫入によって,貫入方法の違いによる周辺地盤の変位変形挙動の違いは見られなくなった.この時の貫入抵抗をみると,打撃による打設の方が支持力は小さくなっており,一概に周辺地盤の変形挙動の違いだけからは,支持力の発現の違いが説明できていないことが分かった, これとは別に,様々な地盤条件での杭の支持力挙動を検討するため,硬質地盤における杭の支持力発現メカニズムを検討した.この実験では模型地盤にはセメント処理土を用いた.また,模型地盤と杭との周面抵抗特性を把握するため一面せん断試験も実施した.貫入時の地盤の変形挙動を観察すると,硬質地盤では,杭の貫入に伴い,杭下面付近の地盤が破壊されながら杭内に貫入する挙動となることが分かった.破壊は,繰り返し起こり,その挙動に伴って,杭の支持力も周期的に変化することが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通り,様々な地盤条件での実験を順調に進めてきている.杭の打設方法の違いによる杭の支持力発言については,当初想定とはやや異なった結果が得られているが,当初想定の通りではない現象が生じている可能性があるが,研究の進捗上の大きな妨げと放っていない。
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