2011 Fiscal Year Annual Research Report
カーナビ「標識モード」の導入と案内標識データベース化による新しい道路案内システム
Project/Area Number |
22360210
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
外井 哲志 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20201650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶田 佳孝 九州大学, 工学研究院, 助教 (30284532)
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Keywords | 案内標識 / カーナビゲーション / 経路案内 / 心的負荷 / データベース / 道路案内システム |
Research Abstract |
本研究では、案内標識とカーナビとの連携による新しい案内システムの構築を最終目標として、カーナビのルート案内において、多少遠回りであっても有効な案内標識が出現する経路をカーナビで案内し、運転者の心的負荷を減少させる「標識モード」の提案を目指す。このため、情報が不整合である場合の運転者の心的負荷をドライビングシミューレータを用いた実験、アンケート等で明らかにする。また、案内標識データベースを試作し、これに基づき「標識モード」による案内効果を実験で確認する。このため、本年度は次の研究を行った。 (1)現実に存在する道路網の地図を作成し、それを被験者に見せた上で視線計測装置アイマークレコーダを用い、重複路線の表示により被験者の予定経路の決定はどう影響されるかを考察する。また、昨年度作成したドライビングシュミレータをPC上で被験者に走行させ、予定経路通り走行できた割合、走行中地図で確認回数などの走行実績から重複路線の案内効果を考察する。さらに、アイマークレコーダにより走行中の被験者の瞳孔径を計測し、生理心理学の観点から走行中の心的負荷を評価したうえで、重複路線の案内効果を定量的かつ客観的に把握する。 (2)道路利用者は未知の場所に旅行する場合には,予定経路を設定して走行を始めることが妥当であるが、道路案内標識がこのような利用に応えることができているのかを評価するため、一般的なドライバーが案内標識の情報や分岐点間の距離、道路形状等の情報を用いて、分岐点を同定し、分岐方向を選択して経路を進む「ドライバーモデル」の理論的考察を行い、その上で、作成したドライビングシミュレータを用いた走行実験データとドライバーモデルによる推定行動との一致度を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に必要なドライビングシミュレータは完成し、すでに実験に使用している。案内標識とカーナビの情報不一致時における運転者の心的負荷に関する実験・及び結果の分析を終了した。案内標識のデータベース化も一部作成し、学会発表を行っている。案内標識の評価モデルの理論的考察とドライバーモデルの作成が終了し、学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ計画通りに進んでいるが、経路走行のドライバーモデルの必要性が明らかになったので、今年度構築した。今後は、案内標識情報とカーナビ情報が異なる場合の心理係数とドライバーモデルを援用して、走行中の運転者の心的負担が最小になる「標識モード」のアルゴリズムを構築する予定である。また、今年度の研究成果については、現在3編の公表の準備中である。
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Research Products
(1 results)