2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360220
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
名和 豊春 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30292056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡桃沢 清文 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40374574)
浅本 晋吾 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50436333)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 乾燥収縮 / 収縮低減剤 / 耐凍結融解抵抗性 / C-S-H / 2H NMR / 29Si NMR / サーモポロメトリー / 実機製造試験 |
Research Abstract |
平成24年度では、昨年度に開発した凍害に対する抵抗性を改善した収縮低減剤(SRA)についてその作用機構の解明を進め、更なる分子構造の最適化を図り、さらに実構造物への適用を行い、その効果を確認した。得られた成果は以下の通りである。 (1)乾燥収縮低減効果および耐凍害性改善効果の機構解明:収縮低減剤の表面張力およびそれを添加したセメント硬化体の吸着等温線を測定し、その詳細な解析を通じて、乾燥収縮の低減機構は表面張力の低下ではなく、5nm以下のカルシウムシリケート水和物(C-S-H)中のゲル細孔へのSRAポリマーの浸透による収縮抑制と乾燥前収縮の促進という異なる2つ作用機構の相乗効果によることを実証した。また、凍結融解抵抗性の改善はゲル中に吸着したSRAポリマーが脱着しないため粗大空隙や気泡中の氷晶が成長せず著しい膨張が生じないことに起因することを明らかにした。なお、乾燥収縮低減および耐凍害性改善の効果は何れも、表面間力を考慮した熱力学モデルで数量化できることを明らかにし、モデルの構築を図ることができた。 (2)収縮低減剤の分子構造の最適化:昨年度選定した2種類のポリマーの化学構造を基に分子構造の最適化を行い、少ない添加量で同等の収縮低減作用を示すポリマー組成・構造を見出した。 (3)収縮低減剤を適用したコンクリートの物性評価:開発した収縮低減剤を実構造物に適用し、①レディーミクストコンクリート工場の次バッチのコンクリート品質に悪影響がなく、排水の泡立ちもない、②膨張材と組み合わせた場合も含めて微細なひび割れが発生しない、③低温でも強度低下や異常膨張が認められない、④工事現場でのアジテート車への添加・撹拌でも同等の効果が得られる、⑤様々な骨材や調合に対して優れた対凍害性が得られることを確認することができ、収縮低減剤を用いた寒冷地での収縮ひび割れ対策技術を構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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