2011 Fiscal Year Annual Research Report
地震・風外乱に対する空間構造物の包括的な応答制御手法の開発
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22360223
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小河 利行 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20126270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 徹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80361757)
熊谷 知彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70376945)
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Keywords | 空間構造物 / 地震時応答 / 強風時応答 / 応答制御手法 / パッシブ制振 / アクティブ制振 / 最適化問題 / 防災技術 |
Research Abstract |
平成23年度の実施計画は,1)アクティブな応答制御技術の適用性向上を目指した振動台実験,2)空間構造物のためのより制御効果の高いアクティブな応答制御手法の提案,3)強風に対する空間構造物の応答制御を目指した数値解析手法の開発であった。 1)については,平成22年度に前倒しして開始したアクティブな応答制御技術を用いた空間構造物の振動台実験において明らかとなった課題である制御の遅れ時間に関わる問題の解決を目指して実験を行った。対象構造物は,昨年度と同一のアーチ構造物である。その結果,モード座標系を用いることで低次元化を行い,遅れ時間を減少させ,応答低減を図ることができた。2)については,1)と平行して,応答制御デバイスの設置位置および設置数の決定を最適化問題として扱った数値解析を行った。最適化手法には,遺伝的アルゴリズムを採用した。その結果,提案した手法により,より大きな応答低減効果が得られる設置数および設置場所の探索が可能であることが明らかとなった。3)では,強風に対する空間構造物の応答制御を目指した数値解析手法の開発を行った。解析プログラムとしては,自研究室開発のMGCG法(マルチグリッド法)を適用した三次元流体解析プログラムを有しているが,更なる高速化,流体と構造物の連成解析の適用の実現を目指した。平成23年度においては,完成には至らなかったため,引き続き平成24年度においてその完成を目指す。現状では,高速化については十分な完成度を得ているが,連成解析の精度向上が課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿い,最初の2年間は研究を遂行しているが,2年目において,若干の遅れが出たため。しかし,最終年度である3年目において十分に挽回可能な遅れであり,最終年度での完結を目指して研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題は,ほぼ当初の計画に沿って順調に遂行されている。しかし,遂行する中で明らかとなった課題,予想された結果との相違はあるため,研究代表者および研究分担者らが話し合う機会を持つことで今後の研究の方向を決定し,課題も含めて最終年度において有意義な成果を得られるように努める。
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