2011 Fiscal Year Annual Research Report
フラットプレート構造におけるせん断補強効果の定量評価
Project/Area Number |
22360225
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市之瀬 敏勝 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (10151474)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / フラットプレート / 床スラブ / せん断補強 / 結合部 / 設計基準 / ハンチ / 幅止め筋 |
Research Abstract |
従来,フラットプレート構造は,倉庫など,限られた用途のみに使われてきた。しかし,最近の集合住宅の床スラブは,遮音性向上の目的で,以前に比べて厚くなる傾向にあり,スラブの曲げ性能に期待するフラットプレート構造を作りやすい環境ができつつある。 本研究は,鉄筋コンクリートフラットプレート構造におけるせん断補強の効果を明らかにするための第一歩である。本構造に関する日本と海外の設計規準のギャップを埋め,合理的で使いやすい設計体系を目標とする。 今年度は、ハンチを用いた壁床構造の接合部に関する実験研究を行った。壁床構造の接合部にハンチを用いた接合部の損傷状況および,ヒンジ位置について実験により検討を行うことを目的とし,ハンチの有無,ハンチ筋の有無をパラメータとして,加力実験を行った。試験体は壁床接合部を対象とした1/2の縮尺模型とし,壁は層間の中央で床はスパンの中央付近で切り取ったト型の形状とした。本研究では,想定した建物の壁に伝わる軸力は壁全体で負担するため,軸力比は小さくなる。従って,本実験では壁への軸力は導入しないこととした。結果,ハンチやハンチ筋を配することで接合部の損傷を抑えることができ,ヒンジ位置を接合部から離すことができることを確認した。荷重変形関係もスリップ型から紡錘型になった。ハンチ筋は最終変形まで降伏しなかった。すべての試験体において,計算上の耐力が発現出来ているため,定着長が足りていなくても影響はほとんどなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験が順調に終了し,ほぼ予想通りの結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
フラットプレート構造の剛性が非常に低いことが問題である。この点について解決策を詰めていきたい。
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