2010 Fiscal Year Annual Research Report
オイルダンパと滑り基礎を併用する軽量低層住宅の耐震性能検証実験と耐震計算法の構築
Project/Area Number |
22360234
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
曽田 五月也 早稲田大学, 工学部, 助教 (70134351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 健裕 中部大学, 工学部, 助教 (10469025)
宮津 裕次 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (70547091)
宋 成彬 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (60547090)
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Keywords | 免震 / 制振 / 滑り基礎 / 静摩擦 / 動摩擦 / 摩擦振動 / 最大滑り予測 / 最大加速度予測 |
Research Abstract |
提案する構造システムは下部より上部に向かって免震機構と制振機構とを直列に組み合わせて構成される。初年度は、構造システムの基本原理の正しさと性能の再現性向上のための基本的な事項を確認した。すべり基礎面の力学特性については、静摩擦・動摩擦それぞれの測定に特化した実験を行い、高精度の力学モデルを策定し、摩擦条件の多様な変化に対応できることを確認した。摩擦振動に関する理論研究に関しては、次ステップである設計方法確立に向けて、滑り基礎の最大滑り量、上部構造の最大加速度応答の予測手法を確立した[2,3,6]。木質構造の高減衰化に関しては、既開発品と同じ仕様のダンパであっても、骨組みへの取り付け方法を工夫することで耐力パネルとしてのエネルギー吸収性能を4-5倍向上できることを実験的に確認した。これにより、ダンパ設置個所が低減して補強設計の自由度が上がるとともに、コストも低減されるなど大きな成果を得た[4,5,7,11]。同じ木質ではあっても土壁構造に関しては骨組みの荷重変形の速度依存性、また軽量薄板形鋼造では耐力パネルそのものの大きなスリップ性状のそれぞれが次年度以後の課題として策定された。研究の過程で実施した振動実験においては、常に減衰評価を試みて、データベースを蓄積しつつある[1,9,10]。地震応答解析によるシステムの地震力低減効果の定量的評価に関しては、本構造システムの適用範囲である木造・薄板軽量形鋼造全体としてスリップを伴う複雑な復元力特性を拡張NCLモデルにより精度よく模擬できることを振動実験との比較により確認し、応用解析により、本構造システムによる耐震性能向上効果の大きいことを確認した[8]。 上記の成果は、1011年3月11日に発生した東日本太平洋沖地震において記録された多くの地震動を用いた系統的な解析を行いその成果を第2年度にシンポジウム開催して報告する予定である。
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Research Products
(12 results)