2011 Fiscal Year Annual Research Report
施設および在宅の看護・介護環境整備のための臭気除去システムの開発
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22360244
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
光田 恵 大同大学, 情報学部, 教授 (40308812)
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Keywords | 在宅療養 / におい / 介護環境 / 消臭対策 / 実測調査 / ヒアリング調査 |
Research Abstract |
本研究では、住宅と施設の介護環境のにおいの低減を目的としている。 まず、在宅介護環境における臭気をについて詳細を把握するため、在宅療養をおこなっている住宅の玄関、居間、高齢者の寝室のにおいのレベルを測定し、実態を把握した。これまでに一般住宅約60件のにおいのレベルについては既に把握していることから、これらの結果を比較することにより在宅療養を行う住宅の臭気特性を検討した。また、介護環境のにおいのレベルに影響する要因を探るため、介護者へ、住まい方、介護の内容、問題点、におい意識などに関するヒアリング調査を実施し、測定したにおいのレベルと対応させ、においのレベルに影響する要因に関して検討を行った。その結果、今回調査した住宅では、一般住宅より、においに対する意識が高く、換気、消脱臭対策を頻繁に行っているため、においのレベルは一般住宅よりも低い傾向にあった。ヒアリング調査の結果から、要介護者がおむつを使用している住宅で、使用済みおむつの保管時のにおいについて問題意識が高いことが分かった。施設では汚物処理室が設置されており、使用済みおむつの保管について、大きな問題にはならなかったが、住宅の場合には、スペースの問題から、要介護者がおむつを使用している場合には、においの問題が挙げられた。 次に、施設の介護環境の臭気に関しては、おむつ交換時のにおいのレベルが上昇することから、ベッド周辺の臭気低減除去対策を検討する必要がある。そこで、おむつ交換前後のにおいのレベル、臭気成分を分析するとともに、においの拡散状況をにおいセンサーを用いて検討した。また、ベッド周辺に適した空気清浄機を使用した場合のにおいのレベルの測定を行った。その結果、おむつ交換時に、ベッド周辺において空気清浄機を使用することで、居室全体の臭気濃度、臭気強度、快・不快度の低減が図れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的として揚げた4点(A在宅療養におけるにおいの実態把握、B排泄物臭ほかの臭気特性の把握、C施設における脱臭システムの確立、D在宅における臭気対策の提案)のうち、2点(AとC)は達成し、3点目(B)と4点目(D)は5割程度達成した。最終年度に、3点目、4点目についてさらに検討を行い、研究結果をまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
施設における介護環境の排泄物臭ほかの臭気特性の把握については、療養病棟をもつ病院の協力を得て、実施する。また、在宅における臭気対策の提案については、これまでに実施したアンケート調査、ヒアリング調査を詳細に検討し、具体策をまとめる。
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