2012 Fiscal Year Annual Research Report
施設および在宅の看護・介護環境整備のための臭気除去システムの開発
Project/Area Number |
22360244
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
光田 恵 大同大学, 情報学部, 教授 (40308812)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 在宅療養 / におい / 介護環境 / 臭気対策 / 実測調査 / ヒアリング調査 |
Research Abstract |
介護者のにおいの評価と介護環境の臭気濃度とを比較検討したところ、「高齢者の部屋」の臭気濃度の平均値は21であった。寝たきりで要介護5の常時おむつを使用している高齢者の寝室より、同じ要介護5でトイレを使用している高齢者の寝室の方が高いケースがあった。臭気濃度21以上の6件のうち、ポータブルが1件、おむつが1件の他は基本的にトイレを使用しており、排泄の自立度と寝室の臭気濃度との関連性は低かった。また、排泄物の臭気レベルが「強い」と評価された5件の寝室の平均値は23であったが、「弱い」場合(6件)の平均値は27であり、介護者のにおい意識と実際のにおいのレベルとは必ずしも一致しなかった。これは、おむつ交時や使用済みおむつ保管容器の蓋を開けた瞬間といった介護者が最もにおいを強く感じる時に、測定ができていない可能性がある。 在宅では、大型の空気清浄機を設置することが難しい面もあるため、開発中の消臭機能を有するマスクによる対策を検討した。介護者にマスクを着用してもらい、消臭効果について回答を求めた。消臭効果を実感した場面では、「おむつ交換時」が最も多く、回答の得られた133名のうち半数以上が回答した。消臭機能を有するマスクによって、ある程度の消臭効果は期待できると考えられるが、反面「付け心地が不快」が60%に上り、改良する必要がある。 今後、においの変動を連続モニターできるセンサ等を用いて、においが高濃度になる時期のにおいのレベルと成分等の特性を測定し、各場面に適した対策を検討する必要がある。臭気濃度は低いにも関わらずヒアリング時に寝室のにおいの問題を訴えていた人は、「寝室の掃除をさせてもらえない」など高齢者に対し不満を抱いている場合があり、介護者と高齢者との人間関係の善し悪しが、においの意識に影響を与えることもあると考えられるため、客観的なデータに基づくきめ細かな対応が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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