2010 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国を含むSI住宅の国際理論とその実現方法に関する研究
Project/Area Number |
22360247
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 秀樹 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20344963)
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Keywords | スケルトン・インフィル / インドネシア / ルマススン / カスタマイズ / 維持管理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、国際比較調査を通して、建物の長寿命化をはかるSI(スケルトン・インフィル)住宅のあり方を各国の住宅関連産業の発達段階を踏まえて解明し、汎用性のある理論として体系化することである。そのため、本年度は、発展途上国を含むSI住宅の理論仮説を構築するために、購入階層と部品採用度が多様なインドネシアを対象とし、下記のことを実施した。 本研究は、連携研究者の丁 志映(千葉大学)、藤本秀一・米野史健(建築研究所)の共同で取り組んだ。 1.インドネシアにおける調査の実施 1)ジャカルタにおける中低所得者向け住宅(ルマススン)を5例(R.Petamburan,R.Bendungan Hilir,R.Tanah Abang,R.Kemyoran Dakota,R.Jatirawasari)選定し、住戸内・共用空間でのカスタマイズと居住の実態(居住者による自主改造の実態、施工プロセス、住宅部品の採用、DIYの程度、改造費等)の調査を行った。調査実施期間は、2010年8月26日から9月1日にかけて、Bina Nusantara大学と共同で行った。また調査方法は、住民へのヒアリング(各事例10戸・計60戸)と管理代表者へのヒアリング、ビデオ撮影、写真撮影、図面採取等である。 2)上記と並行して、現地専門家へのヒアリングや文献等を通して住宅価格と住宅購入階層、職人の賃金水準、部品価格、国と都市の所得別人口構成やGNP等の社会経済条件の調査を行った。 3)スケルトンの維持管理方法を考察するために、上記事例について維持管理・増改築ルール等について調査を行った。また、維持管理のコミュニティ単位(Rukun Tatangga,Rukun Warga,Persatuan Penghuni RumahSusun)、管理規約の収集、ルールの遵守実態等を調べた。 2.全体仮説の構築 多様な階層構成をもつインドネシアの調査結果と、既往研究で示されている日本の実態との比較により、本研究の全体仮説を構築した。
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Research Products
(10 results)