2011 Fiscal Year Annual Research Report
建築の持続的活用のための履歴データの解析手法に関する研究
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22360248
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30239743)
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Keywords | ライフサイクルマネジメント / 住宅履歴書 / 履歴データ / サステナビリティ / モニタリング / 三次元スキャニング |
Research Abstract |
建築物がどのように作られ、使われ、変更され、そして、どのような性能、機能が発揮されてきたのかという資料・記録類(建築履歴データ)は、建築物を持続的に活用していくために重要な情報である。当該年度においては、前年に引き続き、建築の履歴データを集めたうえで、建築の履歴データからライフサイクルマネジメントに資する知識(=建築構成材・部品の保全計画用知識及び省エネルギー対策を計画するための知識)を導くための推論プロセスの整理を試みた。 エネルギーモニタリングデータにつてはヒューリスティックな方法により建築のエネルギー需要を推測予測し、ライフサイクルマネジメントに活用していく手法を構成した。 実際に履歴データを集めてみると、完全にデータが揃っているケースはまれであり、知識を用いるための推論においては、欠損データの取扱が重要になることがわかった。そこで、本年度においては、欠損データの取扱について、様々な検討を行った。その一貫として、履歴データの欠損を補完する手段としての三次元スキャニングの活用可能性について検討することとし、実際に三次元スキャニングを用いて建築の形状情報を取得し、残存している図面との比較などを行った。その結果、三次元スキャニングが欠損データの補完方法として有効であることを確認した。 以上の検討を踏まえて、どのような形式の建築履歴データをどのように整理していけば、ライフサイクルマネジメントに資する知識を抽出することができるかを整理した。その整理結果を、長崎県佐世保市で建設中の実験住宅に適用して有効性を検証することとし、モニタリング・センサーなどを取り付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過年度では、ブレーンストーミングによる履歴データを解析理論を整理することが遅れたが、その遅れを取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
過年度の成果を踏まえ、次年度において成果のとりまとめを行う。研究成果の一部をカーボンメトリックにかかわる国際規格に反映させるためのはたらきかけを行うとともに、企画化作業にかかわる議論から得られたフィードバックを本研究に反映させる。
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Research Products
(11 results)