2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国都城の系譜とその空間構造の歴史的変容に関する研究
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22360252
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
布野 修司 滋賀県立大学, 環境科学研究科, 副学長 (50107538)
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Keywords | 中国都城 / 空間構造 / 都市組織 / 住居類型 / 店屋 |
Research Abstract |
以下のA~Eの基礎作業は、継続して行った。 A アジアの都城そして中国都城に関する文献・資料の収集とリストの作成 B 地図資料のインヴェントリーの作成 C 街区組織図の作成 D アジア各都市の街区組織と都市住宅の類型化 E ショップハウスの類型とその分布図の作製 臨地調査については、前年度に引き続いて南京、杭州を中心に行う予定であったが、南京において調査環壌が整わず、中国南部にウエイトを置くこととした。調査は,北京および西安と同様,都市の形成過程,空間構造,各種施設の分布,典型的街区の構成,街路体系,住居類型とその変容を中心に行った。中国南部については、新たに福州を加え、詳細調査を行った。さらに、泉州、〓州について補足調査を行った。泉州については、2本の論文を執筆し,現在の段階で以下にあげる論文が採用となった。開封については初年度に行った調査を整理、補足し、ほぼまとめることができた。現在審査論文を執筆中であるざ洛陽については、都市組織の連続性という意味で、安陽と同様、歴史的な都市組織のあり方に焦点を絞ることとした。この間、並行して、歴史民俗博物館の特別研究プロジェクト「アジアの都市と建築文化に関する比較研究」に参加してきたが、まとめとなる総括国立歴史民俗博物館国際シンポジウム「アジアの都市-インド・中国・日本-」において、「「転輪聖王」の王都-曼茶羅都市の系譜-」と題して発表した。また、最終論文として「アジアにおける都市的集住形式の起源とその変容-都市組織と住居類型-」(2012年度刊行予定)を執筆した。いずれも本研究の骨格に関わる論文である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以上のように、本研究のまとめとなる論考の骨格となる作業は順調に進んでいる。当初、朝鮮半島、ヴェトナムまで視野に入れたが、七大古都と福建の三都を中心にまとめることで、最終的な研究フレームも固まりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の遂行によって、いよいよ、都市組織研究のグローバルな展開への具体的提起として、都市型住居、店屋(ショップハウス)の世界史についての研究の最終目標が定まりつつあると感じている。上記「アジアにおける都市的集住形式の起源とその変容-都市組織と住居類型-」はそのためのエスキスである。
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